何でも辞典
【ち】 1件
【中宮 (ちゅうぐう)】
天皇の妻を指す。
本来は「皇后の住居」を指し、そこからそこに住む皇后を指して「中宮」と呼んだ。
また、皇太后・太皇太后も同じく后位にある事から、その住居及びそこの住人の呼称として「中宮」が用いられた。
また、古くは皇太子夫人を中宮と読んだ時代もある。
淳和天皇皇后・正子内親王以来約100年、六代の天皇は皇后を立てることがなかったが、醍醐天皇は女御藤原穏子を立后、皇后を復活させた。
その際「皇后宮職」でなく「中宮職」が穏子に付置されることになった。これが中宮職が皇后に付置されたはじめ。
このときに「中宮」は「皇后」の呼称となる。
また、ある天皇が妻の中から最初に皇后を立てた場合、その皇后は中宮とされ、
その天皇が別の妻をニ人目の皇后とする場合、一人目の皇后は皇后宮に、後に皇后になった者が中宮とされる。
そして、幼少の天皇の准母、また、譲位した上皇の妻など「天子の嫡妻」の条件に当てはまらない皇后は皇后宮とされる。
明治元年に立后した藤原皇后も初めはは中宮とされたが、翌年皇后宮と改められたことにより、皇室典範によって「中宮」の呼称はここに中宮は廃絶、
美子皇后が最後の中宮となった。
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