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【す】 1件

【末摘花 (すえつむはな)】

紫式部著、「源氏物語」の中の登場人物で、故・常陸宮の姫君。

美しい女性多く登場する本作において、
神は黒く美しいが、
やせ細って青白い顔をし、
座高が高く、先が赤く染まった長い曲がった鼻といったとても美しいとはいえない容貌をもつ。


後ろ盾である父親を早くに亡くし、
僧となった兄と国守に嫁いだ叔母があるが、経済的な支援は見込めず、
荒れた屋敷で年老いた女房たちと暮らしてた彼女が美しい姫君だという噂を聞いた源氏と
彼の好敵手・頭の中将が競って恋文を出し合い、
勝利した源氏が侍女の手引きで彼女と逢うことになった。

古風な教育を受け、頑固で一途、
純真そのものの深窓の姫君であるが、
朝を迎え、雪明かりで末摘花の容貌を見た彼は驚き呆れ、
同時に不憫に思い生活を支援することに。

しかし一方で、まだ養女であった紫の君(紫の上)を相手に、
末摘花の容貌を絵に描いたりして遊んでもいた。


源氏は須磨から戻った後、
彼女のことをすっかり忘れていたが、
屋敷の前をたまたま通りかかって思い出し、
慌ててあいさつをしたが、
末摘花が源氏を健気に思い、待ち続けていたことを知り、
二条東院に引き取られ、
彼の妻の一人として晩年を平穏に過した。



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