other dream

□特別な治療法
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とある日。
その日もいつものように伊良部先生とマユミちゃんと私の3人で診察したり、往診したりと普通に働いていた。


でも、最近私には悩みがあって……
自分ではよく分からない感情がぐるぐると渦巻いているような感じで。
なんでか分からない……けど。



伊良部先生を見てると、もやもや……じゃなくて。
イライラとかでもなくて。

こう……胸が締め付けられるというか。苦しくて、切ない気持ちになる。
かと思えばちょっと手が触れただけで動悸がしてしまったり、風邪でもなんでも無いのに変な汗かいちゃったりで、本当におかしくなってしまった。

私……何かの病気かな?
でも何科に行けばいいのやらさっぱりだ。
とりあえず、内科とか脳外科みたいな所なのかな……。

よし、病院歩き回って考えよう。

そう考えがまとまり、外出の報告をするためいつもの派手な椅子に座っている先生の方へと足を進める。


『伊良部先生』

「なーに? めろんぱんなちゃん」


椅子を回転させながら伊良部先生は尋ねる。

『私、ちょっと外出したいんですけど』

「えー! なんでなんでぇ?」

『あ……そ、それは……』

どうしよう。理由考えてなかった。単純に散歩したいから、とか? でもそれじゃあサボりになっちゃうし。正直に言うとか?……絶対無理。
うーん……ど、どうすれば……。


「ねーってばぁー。ねえ何でー?」


私が必死に理由を考えようとしている所に伊良部先生がずっと ねえねえ、とか何で? とか繰り返し繰り返し聞いてくるもんだから、ちっとも思い付かなくて。
終にはイライラしてしまって。



『だって!』

「!?」


私は大きな声で叫んでしまった。当然先生は驚きで目を見開いている。

ああ、どうしよう。嫌われちゃう。もうやめて、言っちゃダメ。

必死に自分を抑えようとしたけど、口だけが自分じゃないみたいに言葉を発してしまう。


『だって……伊良部先生見てるとよくわかんない気持ちになるし、ちょっと指が触れただけで動悸がするし! でも先生が女性の患者さんに触ってるとモヤモヤするしっ……私、変なんだもん……』

一息で今まで思ってた事を言い終わり、しまいには涙までボロボロ溢れて止まらなくなって。もう、穴があったら入りたいくらいだよ……。


そう思いながら先生の顔を見たくなくて俯く。


「めろんぱんなちゃん」

恥ずかしいような申し訳ないような気持ちで無言で下を見ていると名前を呼ばれ、私の頬を両手で優しく包んで、顔をゆっくり上げられる。
そこにはニッコリとほほ笑む先生が見えた。


「僕がその病気、治してあげる」

『え……ほ、本当ですか?』

「うん♪」


まさか先生が治せるなんて……一体どんな病気なんだろう?


「めろんぱんなちゃんだけに特別に、僕しかできない注射……してあげるよ」

『は、はあ……?』

「ぐっふふふ。……じゃあ、こっち行こっか♪」


いつもなら注射はマユミちゃんのはずなのに。先生しかできない注射ってあるんだなあ。

そんなことを思いながら、私は先生と一緒に診察室よりも奥の部屋へと歩いていく。その時の先生の嬉しそうで、でもすっごく怪しい笑みには気付かずにいたのです。







そうして私はその後少し、いやかなり後悔することになるのでした。


















自爆\(^o^)/
 

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