二次創作A

□【あの風の人に】
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「マッカちゃんっ!」

休み時間になると、私の友達その一が楽しそうに近づいて来た。ひまわりのような笑顔を向けながら、手にした教科書をココココとばかりに指さす。

「おせ〜てっ!」

「あっ、うん!え〜と、ここはねぇ」

ヤッパリさっきの問題だった。 私はここの解答を公式を使いながら簡単に説明した。
フムフム、フムフム、と頷きながら「へぇ〜」や「なるほどっ」と言葉を漏らすその一。本当に理解しているのかは怪しいけど。

「わぁ〜、ありがとう!助かったよ〜」

「いえいえ、他に解らないとこはある?」

「あっ、じゃあココもぉ!」

とその一が教科書に解らないとこを赤ペンで印をつけていった。
アレ?ココ解けないならさっき教えたとこも無理なんじゃあ…

「何だぁっ!お前そんな問題も解んないのか」

「うん。あっ!!次は受けるんだね」

「まあな。次は世界史だから、受けても私の睡眠に支障をきたす訳でもないし」

「ハハハ…」

私の友達そのニが横から入って来た。この友達そのニは授業をサボりがちで、単位ギリギリの状態なのにそれを直そうとはしない。
だが、どう言う訳か、授業を余り受けないのにテストでの点数は私よりいい。
いいなぁ〜(作者の声)

「あっ、そうだマカナ。お金貸してくれないか?いやさぁ、財布どっかに落としちまってね、昼飯がね」

「うん。いいよ。いくら?」

「5000ぐらいかな」

「五千円ね。え〜と、はい」

私は財布の中にある樋口一葉さんを手渡した。

「おっ、サンキュー」

そのお札をヒラヒラさせながら軽く私にお礼を述べるそのニ。その性格が何だか少し羨ましい。

「うん。いいよ。でも、その『マカナ』って言うのは止めて欲しいな」

「なぬっ!私の付けた名前が気にくわないのかぁ」

「つ、付けたも何も、ただ名前を続けて呼んだだけじゃない」

「ハハハハハ、まあ、細かいことは気にするな。男らしくないぞ」

「私は女です!それに男らしくもないです」

そのニの言葉に私は強く返した。どう見ても私は男らしくはないのに、冗談でもその言葉は嫌だ。
私の気持ちを知ってか知らずか、そのニは「ハハハハハ」と笑いながら「悪い悪い」と手を上下しながら謝罪を述べる。
うぅ〜、それは謝ってないって、てか、謝るくらいなら止めて欲しいぃ〜。

「一つ言いたいことがある。」

「えっ、何?」

嘆いていたら、そのニが話しを切り出して来た。

「どうでもいいけど。…いや、良くないか、」

「えっ、何?」

少し真剣な顔つきで、正面から私と向き合う。何故か、その一までもがそれに揃う。

「あのさぁ、私達のこと地の文てその一そのニって紹介するの、止めてくれない」

「あっ、それ!私も私も〜」

「あっ、うん、ご、ゴメン」

き、気付かれた。

「それと、作者に私のこともちゃんと紹介しろって、言っといて」

「りょ、了解」

とそこで、次の授業のチャイムが鳴った。
二人は自分の席へと戻っていった。
私はというと、やっと言えたっ!と物語っている二人の背中を、只々見るばかりだった。
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