SPIRIT

□第2章 目覚め
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「マリア!!危ない!!」

突然のアルトの叫びに海月は我に返り、声のした方を見る…
ルシファーの部下…火の四天王イルヴァーナが巨大な銃のような物を構え、引き金を引いていた…
銃からは玉ではなく、レーザーの様な物が放出され、そのレーザーを背後から受けたアルトの身体が光り、
本来なら海月にしか抜けない筈の欠片が体内から抜け出て、ルシファーの体内へと入っていく…

「なに!?」
「ふははは、これだ。これが全て揃えば私は真の神になれるのだ!!」
「くっ」
「姫巫女殿、何をしようが無駄な足掻きだ!!グラスカース!!!」

海月がレインの姿へとチェンジし、空中へ回避しようとした瞬間、
ルシファーは地属性の呪縛唱詠術を使った。

「ちっ」
「逃げようとしても無駄だ!!」
「しまった…」

本来、全ての力が揃った海月だったらかわせたのだろうが…
その呪縛は海月より遥かに早いスピードで海月の身体に巻きついた…
次の瞬間、呪縛に更なる力を注ぎ込み、海月のチェンジを解いた…

「馬鹿な!!グラスカースでチェンジが解けた!?」

「レイン様!!」
「スピリトゥスの小娘はそこで指を咥えて見ていろ!!」
「きゃぁぁぁ」
(結界!?)

そして、倒れたアルトの側で泣いているマリアとサリーナに力を込めた手枷を遠隔操作ではめた…

「それは…」
「そう…貴女もご存知でしょう…天使が罪を犯した際に余計な抵抗をしない様掛けられる力封じの手枷です…
死す前に我々に刃向かった罰を与えてやろうかと思いましてね…生体師やれ!!」
「御意…」
「ルシファー!!やめろ!!」
「貴女はこのままヘルヴィムへ連れ帰り、同じ手枷を掛けて我が寝所に繋いで愛を体内に注ぎ込んで差し上げよう…」

ルシファーの部下である闇生体師が2人の側へと歩み寄るのを見て、
海月は何とか呪縛から抜け出そうと試みた…
しかし、ルシファーの力により力すらも出せぬ状態の海月には呪縛から抜け出す術はなかったのだ…
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