SPIRIT

□第9章 後夜祭
1ページ/15ページ

---ヘルヴィム---
ここはセリウスの研究室…毎日のように部下達と怪しい研究や、かなり怪しい装置を作ったりしている場所だ…そこへ1人の堕天使がやってくる。

「おや、イルヴァーナ様顔が腫れておられますが…」
「すまぬが、薬を…何、メルヴィスに強引な事をしたら殴られただけだ。」
「左様でございますか…こちらの薬になります。」

イルヴァーナは実はメルヴィスの事がかなり気になっていたようだった…先日の提案通り、以前直哉が海月にやったように強引な手段に出たのだが…想いは伝わったようだが、怒らせてしまったのである。
セリウスがビンの中に入った薬をイルヴァーナへと手渡した。

「あら、イルヴァーナ…その様子ですとメルヴィスに想いを打ち明けられたのですね。」
「シルヴィーナか…あぁだが怒らせてしまったようだ…やはり女というのは我には分からぬ。」
「まぁ…そのうちメルヴィスも自分の想いに気付くときが来る…そうであろう…シルヴィーナ。」
「えぇエイヴェル。」

---人間世界---

「あ…亜理紗さん…5分しないうちに羽を受け入れるなんて…」

この日から亜理紗も訓練に参加する事になった。
ミクロマーナーを受け取り、直哉たちと同じように力が欲しいと願った亜理紗は海月に羽を打ち込まれたのだが、亜理紗の意思は半端ではなかったのだ。
直哉達よりも早く羽を受け入れた事により、ティアは驚愕する。

「アタシだって友達犠牲に世界を守るなんてイヤだからね。」
「ありがとう…亜理紗。」

既に海月と亜理紗の間には不滅の友情が芽生えていたのだ。

「海月お姉ちゃん、悪魔がイジめる。」
「てめぇ!!輝良!!」

硬く手を結んだ2人のところへ、輝良がやってくる。
その直後、直哉はキレるがもちろん巧に抑えられる。

「輝良!!今日こそ水被せてやる!!」
「落ち着け…直哉、相手はまだ小学2年生だ…」

既に輝良は直哉が海月に弱い事を理解していた。
輝樹はこの先、大橋家の末娘がどのように育つかが心配であった。
輝菜は輝葉は未だに直哉が嫌いではあるが、
別に近づかないだけで、得に何もしはしない。
しかし、輝良だけはどうしても直哉に泡吹かせてやりたいと思っていた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ