SPIRIT

□最終章 空の彼方へ…
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「この家にある種子が最後の種子…それを解き放つ…」
「大丈夫なの?」

そして、決戦が終わった翌日、全員巧の家に集まった。
海月は直哉達と理事長と共に祠へと向かう。
その後ろにはあらかじめ呼んでいたリポーターの原田さんとカメラマンがいる。
もちろん全て撮影してもらう為である。

「この石でしか開かなかった扉が…」

理事長が持っている石でしか開かない筈の扉は、海月が扉に手を触れた瞬間光に包まれて開いた。

「封印は解いたよ…」
「それがスピリットの種子?」
「今の地球の人たちなら、この花を委ねる事が出来る…」

そして、海月はレインの姿に戻り、種を空へと掲げ叫んだ…しかしその海月の姿は8枚羽ではない…昨日見た白銀の女神である。

「我の声を聞き目覚めよ!!スピリット!!!!」

次の瞬間、その大きな種子が花へと形を変えていく。

「嘘…大きな種が花になって沢山の小さな種が…」
「空の彼方へ飛んで行く…」

そして、海月は不思議な言葉で話し始めた。
人間世界にもスピリトゥスにもない言葉、しかし人々はその言葉の意味が分かった…聞いた事すらない筈なのに…

『人の子よ…我が今いる地に残る最後のスピリットの種を解き放つ。
この花は一度、人々の争いで滅びた。
だが我はこれからこの地球の未来を歩む人の子にこの花を託そう!!
この花は、愚かな争いが繰り返されれば枯れる…憎しみや欲は愚かな争いとなる。
そなたたち人の子の手でこの地が再び悲しき世界とならぬ様…この勇気の花と共に!!!』

この日世界中は女神の声を聞いた。
二度と愚かな争いが起こらぬようにと願いを込めたその花を託されて。

この時の声は世界中で空から聞こえていたが、
原田さんたちの協力で全世界にこの映像が放映された。
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