SPIRIT
□第10章 水の怒り
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その後、学校では担任から生徒達にこの事が話された。
もちろん、生徒達の反応はそれぞれであったが…
「直哉くん…」
「エルザさんミズキは?」
「突然テレポートで戻ってきて、着替えた直後に突然倒れたの…」
やっぱりと4人は心の中で思っていた…
「何があったか教えてくれないか?」
「実は…」
巧はディーヴァ警視総監たちに告げた…突然襲い掛かってきた四天王イルヴァーナにティアの父ヨフィエルが殺された事、そしてその怒りで海月がリーンカーネーションを発動した事を…
「そんな…」
「リーンカーネーションは使う度に術者の身体を蝕んでいく…ティアがスピリトゥスから持ってきた紙に書いてありました…」
「レイン様がリーンカーネーションを!?」
事情を知ったディーヴァ警視総監たちは驚愕した。
巧は、あの時貰った紙のに書かれていた事を告げる…そこへ、ケムエルがテレポートで全員の前に姿を現した…
「ケムエルさん…」
ティアは海月が倒れた直後にスピリトゥスへと知らせに行っていた。
もちろん、義和と話をしに行った父ヨフィエルが自分を庇って亡くなった事、そしてその怒りにより海月が術でイルヴァーナを倒したものの、帰宅後倒れたという事を聞き、ラファエルは泣き崩れケムエルは直ぐに人間世界へと飛んできたのだ。
「ケムエルさんも知らなかったのですか?」
「えぇ…恐らくバリエルは知っているでしょうが…」
「そういえばティアちゃんは?」
ディーヴァ警視総監の問いにケムエルが答える…しかし、その場にティアがいない事に気付いた義和はケムエルに問いかけた。
「それが…レイン様が倒れられた事を私に伝えに来た後、行かなければならない所があるからとどこかへ行ってしまったのです。
座天使〔スローンズ〕ザフィケルにすぐ調べさせましたが、人間世界、そしてスピリトゥスのどちらにも反応がないのです…」
「どちらにも?」
「えぇ…考えられる事は一つ…
本来ならレイン様しか知らない精霊の洞窟がある場所を知っているとしか…」
その言葉に直哉達は気付いた…以前海月が精霊の洞窟には特殊な結界が張ってあるという事を。
「なら…もしかして…」
「恐らく精霊の力を借りに行ったんだ…」
「しかし、バリエルにはその資格がありませんし…」
契約者がいなくても海月がいるから呼び出せるが現在、契約者のいない精霊は4体である。