SPIRIT

□第3章 新たな出会い
1ページ/25ページ

朝、海月が学校へ行くと体育館からボールの音が響いてくる。
部活をやっているという気配ではない…
誰かが遊んでいるだけだろう…

四天王がヘルヴィムへと重症のルシファーを連れ退散したのが8月…
あれから2ヶ月が過ぎ、目くらましにもならないだろうが髪をバッサリ切り、更に男子留学生として
海月の転生前…桜姫が明治へと時代が変わった後
あるモノを封印する為に創立した学校、海生大学付属学園高等部へやってきた。

既に侵略を始めていたこの地に海月がやってくる事などヘルヴィムにはわかっていた筈だが…
念写で確認した後、この地に最下級堕天使が潜んでいる事は分かったが、
四天王とその部下の気配は全くなかった。

ルシファーもまだ目覚めた気配はない…
恐らく地獄の業火のダメージが思ったより大きかったのだろう…

(この学校…懐かしいけど、中も変わってて良くわからん…
なんか迷路みたくなってるし…)

一応スキップで大学院を9歳の時に卒業している海月だが、養父に頼みこの学校の理事長に話を通し、
あくまでも1人の留学生と扮したロス警察の捜査官として潜入する事になった。

(あまり人間とは関わりたくはないが…仕方ないな…)

職員室の場所が分からないので、とりあえず体育館にいる人に道案内を頼もうと覗き込んだ。

「巧、遅かった…あれ?ごめん人違いだったみたいだ。」

その言葉に海月はその少年の目に引き込まれそうになった…

(なんだろう…不思議な感じがする…)

「どうしたの?」
「あ…いや、ちょっと職員室の場所がわからないから聞きたかったんだけど…」
「あ、もしかして、ウワサになってる時期はずれの留学生?」
「あぁ。」
「この学校、迷路みたいだからな。オーケー俺が職員室まで案内してやるよ。」

その少年は手に持っていたバスケットボールを床に置くと体育館から出てきた。
学校の中は完全に迷路だった…しかし、その少年は慣れた感じで海月を職員室まで案内する。

お礼を言った後、その少年が何やら海月の事をじっと見ていたが…
職員室へと入っていくとその気配はなくなっていた。

職員室で軽く挨拶を済ませると、校長が理事長の下へと案内する。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ