短編4

□親友の彼女なのか?
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「あ、ヤマト!ちょっと隠れさせてくれ!!」


「は!?」

ガラリと大きな音をたてて教室に入ってきたのは、親友の太一だった。


「お前、どうしたんだよ」


「しっ!静かに」


すると、また大きな音をたてて教室へはいってきた人がいる。

確か、その人は太一と同じクラスの子だったはず。という曖昧な記憶がよぎる。


「太一くん!!」

その子は先ほど入ってきて今ヤマトの後ろで縮こまって隠れている太一を探しているようだ。

ということは、やっぱり太一のクラスの子であっていたか。


「石田くん、太一くんを見なかったかしら?」


「見ていないが、どうかしたのか?」


「勉強を教える約束をしていたのに、逃げたのよ」


「あいつ…」

馬鹿だろ。
ってか、なに、逃げてんだよ。

ここは、素直にこいつを引き渡したほうがこいつのためになるよな。
そうだよな、うん。


「あ、太一くん見つけた!」


「ヤベ…!」

逃げることがかなわず、そのまま太一はあっさりとつかまった。


「さあ、勉強するわよ」

笑顔で言う彼女になにか恐ろしいものを感じる。
だから、太一は逃げたのか?
いや、ただたんに勉強が嫌だっただけだろうな。



「石田くん、騒がしくしてごめんなさいね?」


「いや、構わないさ。太一にしっかりとたたきこんでくれよ」


「ええ、逃げたぶんしっかりとね

後ろで太一がなにか言っているのなんかは聞こえない。


そのまま太一の首根っこをつかんで彼女を出て行った。

太一…ご愁傷様だな。
まぁ、お前が悪い。
しっかりと勉強するんだな。



それにしても…彼女は太一のクラスの子なのはわかるんだが…誰なんだ?
太一とけっこう仲が良いし、本当に彼女だったら笑えるな。




教室で一人にやにやしていた石田ヤマトがいたとさ。






(そこ、違う!さっきも言ったでしょうが)
(わかんねえっつーの!!)
(何が!)
(全部!)







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