素直じゃない彼女
□入学式
1ページ/2ページ
「絢姉ぇーー」
「金太郎、うるさい」
急に幼馴染の金太郎が家に来た。
今日は俺の中学の入学というんに…。
「なぁなぁ、今日からあんま姉ぇに会えなくなるんやろ」
「そやな」
「ワイ、イヤや!姉ぇに会えなくなるんわ、イヤや!!」
なんや、コイツ…。むっちゃ目がうるうるしてるで。
けど、ここで甘やかしたら金太郎のためにならへん。
「二年後になったらお前も来るやろ」
「二年も待てへん!」
「がまんし」
「イヤや!」
「ハァ……」
金太郎は俺に抱きついて、泣きじゃくる。
なんで、コイツはこないにメンドイんやろなぁ。
「入学式終わったら試合しよな」
「ホンマ!?」
「ホンマ」
「なら、ワイ我慢する〜」
そう言って金太郎は俺から離れた。
ってか、反応早いわ。ま、そのほうがええけど。
「じゃ、行ってくるで」
「後でなー♪」
手を振り続ける金太郎。
それに見送られながら俺は学校に行く。
_