紅血鬼宮
□第六話/誰何の陰謀
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空はどんよりと沈む曇り空。
玄関から外へ出ると、やはり外にもちらほら奴犬達も出て行っているようだった。
「ヤバいな……もう下の街の方に行ってるかもしれねぇ」
「やっと出られるー!」
愛は伸びをして言った。
「いや、今めっちゃ深刻な話してるからね。どんだけ伸び伸びとしてんだよ」
小夜は思いっ切り伸びをしていた愛につっこみ、そのあと急かした。
「そんなことしてないで早く、急ごう」
一行は丘の下の街に向かい歩き始めた。
「でも、何でこんなことになったの?この学校が吸血鬼でいっぱいで……もうやだ」
とても不安そうな愛。
あれだけ襲われそうになったのだ。やだどころではないだろう。
「そもそも何で吸血鬼が増えてるの?」
小夜は疑問に思った。
「吸血鬼が学校に侵入してやらかしたんだろうな」
そう望月先生が言うと、
小夜と愛は目の前にいる吸血鬼を冷たい目で凝視した。
「いや俺じゃねぇって!!」
先生は必死で否定した。
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