紅血鬼宮
□第五話/もうひとりの
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「そんなホース何に……」
「愛、水出してきて」
「?」
愛は疑問に思いながらも、トイレに行き、ホースの水を全開にして出した。
「小夜、出したけど」
そういうと小夜は、
「おい野郎ども〜!!」
と言いながら、吸血鬼がうようよいる階段に近付いた。
「ちょっと、小夜何やってんのよ!!」
気付いた吸血鬼達が、目を血走りながら小夜に襲いかかった。
「小夜、危な…」
ジュボー………
水がホースの出口にたどり着いた。
「よし、お前ら、観念しろよー!」
小夜は水の出口を押さえたので、水が勢いよく真っ直ぐ出る。
そして、ホースの出口を、吸血鬼達に向けた。
吸血鬼らは、勢いよく出た水に逆らえず、後ろに倒れていく。
「そういうことか…ってか、無理やり……」
愛は納得したのと同時に、呆れた。
「愛、今のうちに階段降りるよ!」
「え、うん!」
小夜は水をそいつらにかけながら、愛と下に降りていった。
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