紅血鬼宮

□第五話/もうひとりの
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壁からチラと階段を伺う。


「いるなぁ〜……」


そこには階段を使おうとする奴を襲うのか、ただ休んでいるだけなのか、

吸血鬼が幾人かちらほらと体を不気味に動かしながら階段に座っていた。



「こんなんじゃ階段降りれないじゃん」


そう言って後ろへ下がろうとした愛を、


「いや、待って」


小夜は止めて、トイレの方向に小走りで向かって行った。

「?」

トイレに入っていったと思ったらすぐに出てきた。

手には何故かトイレ掃除の時使うホース。



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