紅血鬼宮

□第二話/血の逃走劇
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「おい、小林!」

不意に、
小夜を呼ぶ声がした。


前を見ると、そこには同じクラスのよくしゃべる男子、鈴木がいた。



「あ、あぁ、鈴木君…」

小夜は不安な気持ちを抑えた。


「ほんと、これなんだ?まるで化け物屋敷に閉じ込められたみたいじゃん」


鈴木は近寄ってきた。

鈴木の見た目はあの化け物のような
狂った表情や態度はない。

大丈夫だ。


「ほ、ほんとだね」

安堵し、緊張感を少しほどいた。






と、急に、




バサッ




「ッ!?」





鈴木に抱きつかれた。




「へ!?な、な、…!?」



鈴木の顔が目の前にある。


そして鈴木の口が小夜の首へ……






え?ウソ!?吸血鬼!?


血を吸われる────!!







しかし鈴木は耳元でこう言った。





「もう大丈夫だから。ひとりで怖かっただろ。
こんなに震えて、

俺が守ってやるから。

もう心配すんな
一緒にここから抜け出そうぜ」





「え…!?」








何これ?告白?確かに鈴木とは幼なじみだけどそんなに関わったことないし全然気にかけてもなかったし、でもえ?そうなの?








小夜はどう言葉を返してよいかわからず、頬を赤らめた。















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