紅血鬼宮

□第一話/突然世界は血塗られた
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小夜は一年一組と書かれたプレートの教室に入った。

一年一組は3階の一番端の教室だった。




何やらノートに一生懸命必死で書いている女の子が、
教室に入ってきた小夜に気付き、手を挙げた。


「あっ小夜、おはよー」


小夜の親友の岡部 愛。
小学校からの親友で、一緒の高校に入り、奇遇にも同じクラスになった。

小夜にとっては、大親友以上の『心の友』であった。


「ちょ、あのさ、今日提出の数学の宿題、まだ出来てないんだけどー。ヤバい!」

「え?何それ?」

「数学のワーク!今日122ページまで提出じゃん!」

「どぉあぁ!!忘れてたー!誰か、写させてー!」


この教室も、もうどこもいつも通りの時間が流れていた。





これから、何が起こるか皆知らずに。




その時まで、皆平和に、暮らしていた。








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