紅血鬼宮

□第二話/血の逃走劇
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「階段はうじゃうじゃ居て使えない。こっちなら大丈夫だ」



小夜と斎藤は渡り廊下を渡る。
北館に着いた。


「斎藤君は大丈夫だった?」


「なんとかね。でももう普通の人は少ないと思う。早くここから抜け出そう」




でもここは北館。昇降口や来客用の入り口は南館と渡り廊下。

しかし今居るのは北館の三階だ。

しかも向かっている方向に階段はない。

「どこに行くの?」



「この突き当たりに非常口があるんだ。そこにはまだいない。そっから外に出よう」


確かに非常口らしきものが廊下の一番奥に見えた。


「さ、早く!!」




非常口に向かって二人は走った。



非常口まではもうすぐだ。





早くこんなところから出よう。もうこんなところに居たくない。もう怖い思いをしたくない。

帰ったら何をしようか。まず布団に入りたい……













その夢は一瞬にして壊された。




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