太陽ノ教団
□太陽の教会
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「ちぇー!!何が神父だよ。弱虫ゴルドのくせに」
教会からの帰り道、
少年は不機嫌そうに小石を蹴っ飛ばす
「ゴルドったら、神父さんになってから、遊んでくれなくなったよね」
少女が相打ちを打つ
「遊ぶ変わりにみーっちり説教だよ。
くっそー…次はパンツにヒル入れてやろうぜ!」
「陰湿だねっ!
…あれ?何だろうあの煙」
少女が空を遠くの空を指差し、それを少年も目で追った
空に朦々と、黒い煙が立ち上っている
「…ありゃ、戦争の煙だな。
母ちゃんが言ってた」
「えぇっ!!」
少女は怯えた声をあげる
「…うちの村にも…来るのかなぁ……」
「ばっか、こんなちっちゃい村に来るかよ!
何も無いんだぜ?
それに……」
「それに…?」
「いざって時は、教会に逃げればいいんだってさ!
中立の立場だから、安全なんだとよ」
「いざって時になって欲しくないよぅ…」
「だーから来るわけねぇって!」
少年は少女を励まし、空を見る
「来るわけないさ……」
しかし、少年の言葉は虚しく響くだけ。
戦火は、まるで空に立ち上る黒煙のように
緩やかに、この小さな村へと迫っていた…