伽話

□蠱毒の蜘蛛
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妾がいつからそこにいたのかは覚えていない。

真っ暗な、無限に続くかもしれない闇の中に妾は居た。
いや…正確には妾達が居た訳だが

今、それらは全て妾の一部となっている訳だ


「皆、気分はどうかな」

ふいに声がした

たまに外から声をかけてくる者が居る
ソイツは自らをカンダタと名乗っていた。

それにしても
「ワカラナイ」

気分とは何だ?

「心身についての微弱で持続的な感情のことだよ。」

感情?

「君はまだ感情について多くを知らないのかな。
他の子はどうかな…
もしかして、君しかいないのかい?」

「ソウダ」

「そっか。
…うん…おめでとう。
良く頑張ったね。」

男の言葉は、
果たして妾に向けた言葉なのだろうか

妾は闇の中でふと疑問に思った。
それはカンダタに向けた言葉なのではないか。

ただ…何となく…そんな気がした。
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