捻れた本
□吸血鬼ト学者
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別室の戸を開けると、
そこには布をかけられた手術台があった。
レンフィールドが布を取り払う
「どうですご主人様!!!?
その目でご覧下さい!
以前よりも進歩しているでしょう?」
手術台に寝かされていたのは奇妙な人骨だった。
奇妙というのは、薄く肉付いた、さながらミイラのような状態だったからだ。
ヴラドはそのミイラ状のものを覗き込み。
少し落胆したかのような素振りを見せた。
「ああ、確かに…皮膚が安定して定着したことは素晴らしい。
だが、まだ…
外観が人とは程遠い」
そう感想を述べながらヴラドは、その骨の手に触れてみた。
ピク、と反射的に骨が動いた
「動いた…!?これは…生きているのか?!」
ヴラドの反応にレンフィールドは大いに満足そうに笑うと言った
「YES!素晴らしい進歩でございましょう?
外観こそ不完全ではありますが、その肉体にも不完全な生命が宿ったのですよ!!
この調子で実験を繰り返していけば行けばライラ様のお体も元に戻せるかと…」
「…ああレンフィールド、実に素晴らしいよ!君の条件を飲み…君を配下にして本当に良かった!!」
研究の進歩への喜びにヴラドは思わず学者を抱きしめていた。
貧弱な彼は子供に抱き締められただけでも「おっと」と、ゆらめく。