夜の本

□異端審問官と蜘蛛
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「さてと、二人きりだなシェイドちゃん。
今の内に吐いた方が楽じゃねぇか?」
「…冗談じゃない。
私は人間だと何度言えば…」
「そうかい」
荒々しく髪を掴まれる
「っ…!!」
そして、卓上に置かれていた水桶に顔を突っ込まれた。
呼吸困難一歩手前で顔を上げさせる。
「今の内なら痕が残らないぜ?」
「…ぷはッ…はぁ…
何度聞こうと同じだ…」水を滴らせながら、シェイドはきっ、とリッシュを睨みつけた。

「強情な奴だな。
ま、嫌いじゃないぜ。そう言うの。」やがて再び鈍い音を響かせて扉が開き、先程ナイン、シックスと呼ばれた二人の部下が入ってきた。
「連れて来たぞ。」
「お待たせ〜」

「よし、そろったな。
それじゃ、始めるとするか。
おいナイン、そいつを抑えとけ。
でもってシックス、脱がせろ。」

「なっ…!!?」

「あれだよ。
契約の印がねぇか調べるんだよ。」
リッシュは煙草に火を付けながら、当たり前のように言い放つ。
「わぁ、お兄ちゃん綺麗な肌だねえ」
衣服を脱がしながらシックスが言った。
少年にしか見えない彼もが、残虐な審問官という事実に目眩を覚える。

はだけたシャツから覗く、白い胸板を指でなぞる「…っ//」

「傷とか付けちゃうの勿体無いなー。
ねぇねぇ、早めに白状した方がいいんじゃない?」
指は更に下へと向かい、ズボンを緩めると、その中へと入り込ませ
「ま…待て!
そこは…あ…っ」
「クスクス、ここは何?駄目なの?いいの?」

「…おいシックス、あまり遊ぶな。」
「はいはい、厳しいねぇナインは。」
シックスは叱られ、つまらなさそうにしながらも、遊ぶのをやめて
シェイドの衣服を全て取り去った。

「………っ」

「へぇ?確かに綺麗な肌してるな。おいシックス、くまなく調べろ。」
リッシュは煙草をふかしながら命令を下す。
「りょーかーい」
「…好きなだけ調べるがいい、そんな印や証など存在する訳が無いからな。」

「強気だねぇ、そういう子って歓迎されちゃうよ?
へぇ…
確かに何にも無いなぁ。不自然なくらいだよ。
ねぇナイン、体勢変えさせてくれない?」

「わかった」

「く…っ」
無理やり体勢を変えられる。
足の裏から腕を回されそうになり、思わず抵抗を試みたが
「いいのか?抵抗したが最後だぞ。」
と、言われ、抵抗を諦めた。
そして、両足を開くようにして持ち上げられる
「…やめろッ降ろせ!!
こんな…っ」
「恥ずかしい?じゃあ白状する?」
「誰がっ!!」
「じゃ、続けさせてもらうよ。
あれれ?本当に無いねぇ」
「……ッ」
まじまじと見られ、シェイドは羞恥に頬を赤らめ、顔を背ける。
そこへ彼等の様子を見ていたリッシュが近付き、煙草の煙を吹きかけた。
咳き込むシェイド
その顔を覗き込むと彼は告げた
「マジで作りもんみたいに綺麗な肌だな。
なあアンタ…、逆に怪しいぜ?」
「……」
「まぁいいや。
そろそろ本番行くか…。
おい縄持って来い」

恥ずかしい体勢から解放され、シェイドが安堵したのも束の間。
両手首を頭上で拘束され、縄で吊られてしまった。
「ッ器用なものだな…」
「職業柄でね。
で、どうよ。まだ意地を張るつもり?」

「当然」

「じゃ、拷問開始だ」

そう言ってリッシュは邪悪な笑みを浮かべた。
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