太陽ノ教団

□息抜きの詰め合わせ
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異端審問間の残念な日常


俺は異端審問官のナイン
今日もいつも通り、
夜通しの尋問を終え
昼に仮眠をとっていた。
そして…

目が覚めたら

ズボンが消えていた。

おまけに下着も。

「そんな馬鹿な…」

俺の第一声はそれだった。

確か上半身裸で寝ていた筈だ。
ここまで露わになる程寝相も悪く無い。
辺りを見渡せども
ちょっとベルト辺りにこだわりがあるお気に入りのズボンは見つからず。
無事なのは上にかけて寝ていたロングコートのみじゃないか。
とりあえずかっちりと着込むが
ある種の、いいものを見せてあげようだとか抜かす変態のようになってしまった…
早く俺のズボンを早急に保護しなくては
俺が保護(補導)されてしまいそうだ。

「やぁ
オハヨー、ナイン。
よく眠れたかい?」
仮眠室に入って来たのはシックスだった。
手にはズボンを持った様子はない…当たり前ながら。

「あぁ、シックス。」
俺は尋ねかけて気付いた。
俺のズボンを見なかったか?なんて聞いてみろ…
それはつまり、俺がこのコートの下に何も履いてない事を意味するではないか。
俺が言葉を選んでいるとシックスの方から声がかけられちゃった。
「おやぁ?ナイン、今日は随分かっちり着込んでるねぇー」
不思議そうに
というよりは楽しそうに聞いてくる時、ピンと来た。
こ い つ の 仕 業 だ と。

「おい、シックス…」

「なーにぃ?」

「俺のズボンをどこにやった」

「え、何が?
何でそんな事聞くの。僕関係なくね?」

「尋問官なめんな!
そのにやけ方でモロバレだ」

明らかに悪意のこもったにやけっぷりが明らかな証拠だった。

「…何もぶつ事ないじゃん……
そーですよー、あのズボンは僕がやりましたー」
頭を押さえ、不服そうな顔を浮かべながら
シックスは言った。

「何でそんな事を…」

「何でって…
もとはと言えば僕のオヤツとったナインが悪いし!!正当な復讐だと思うね!」

「俺がお前の間食を奪っただと?
…覚えがないぞ。」

「奪われたよ!積極的に奪われちゃったよ!

あのオヤツは僕のってわかるように印までつけといたんだよ!
仕事後に食べよっかなーと思ってたのに…
寝る前のナインに食われたんだよっ」

「印がついてるなら尚更手を出す訳ないだろ。ん…?…寝る前…?」

そういえば思い当たる事がある。

「数字の9が書かれてたやつが置いてあったから、食べたな。
差し入れだと思ったのだが」
「それだよ!!!
6って書いといたの!!」

「わかりにくい!!」

「逆からも見て考えようよ!
それで悔しかったから僕も…」

〜30分程前〜
シックスは寝ているナインに忍び寄り

「そぉい!!!」
とズボンを奪ったのだ

〜そして今〜

「…あんまりすぎないか。
そして俺のズボンは今どこにある?」

「教団のでかい旗あるよね?
あのへん。」

「あんまりすぎないか!!」
どれだけ高い所に登ったんだ!!
そして、俺はこのまま登るのか?
それはまずい、色々と下からのアングル的にまずすぎる!!


「そうだねぇ…おんなじの買ってきてくれたら、
またズボン取ってきてやんよ」

「それなら起きた時にそう言え!!
この格好で外出強要とかどんな罰ゲームだっ」


「まぁ大丈夫なんじゃない?
春先は多く出るって言うし。」

「皆で渡れば怖くないとかそういう問題じゃないんだぞ…」


そして俺は泣く泣く
菓子を買いに行く羽目になったのだ。



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