太陽ノ教団

□太陽の教会
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うららかな春の日差しが照らす中、

片田舎の小さな村に
子供達のはしゃぐ元気な声が聞こえる。

「見てみて!!すっごいの捕まえた!!」
「うわっ、すごっ!」

音をたてて回る水車小屋の近くで、
この村の子供達は元気に遊ぶ。

「さっそくゴルドに見せてやろうぜ!!」
「賛成ー!!」
「よっし!
んじゃ、教会まで競争なー!!よどん!」

「Σよどん!!?
何そのスタート!uU
あ、まってよー!!」

走り出した少年を追い掛け少女も走る。
この村唯一の小さな教会に向かって…



一方、教会では

「それでは皆さん。
今日も感謝の祈りを捧げましょう。
天に在す我等が父にこの日1日の…」
一人の若い神父が、
壇上に立ち
わずかながらに集まった村人と共に祈りを捧げようとしていた。
しかし
「ゴルド君見違えるくらい立派になったわねぇ。
おばさん驚いたわぁ」
などと、村人に言われる始末。
「い、いやあの…それ程でもありませんよ///

っじゃなくて!
今はそんなお話はよしませんかマーガレットさん」
「うふふ、ごめんなさいねぇ。神父様♪」

「なぁゴルド。
親父さんの容態はどうだ?
いい野菜が取れたからよ、後で食わしてやんな!」

「それはどうも有難うございますドルトンさん。
父も喜びます

…ええと、あのー、皆さん…そろそろ始めても宜しいですか?」

「おうよ、新、神父様!」
「新は余計ですよ!」

実はこの青年
教会の跡継ぎが居ない為
神父になったばかりなのである。

「それでは…
気を取り直して…」

ゴルドは卓上に置いていた本を開こうとする。

ぷにっとした
柔らかな感触が指先に伝わり、
ゲコッと鳴き声がした

「…ゲ…コ…?」

おそるおそる、手元の本をみる。

そこには…

「Σにぎゃぁぁあああっ!!!
カ、カカカ…カエルーーーッ!!??」

ばかでかいカエルが置いてあった。

「やーい、弱虫ゴルドー!!」
「やーい!」

いつの間にやら教会に入り込んだ小さな犯人達が彼をはやしたてる。

「おっ、お前達ぃぃ!!またしても神聖なっ書の上にイタズラを…!
はっ…早くこれをどけなさいっ!今すぐですよ!」

ガタガタと震えながらカエルを指差す神父
カエルはゲコッと鳴くと 神父のもとにピョコっと跳ねる
「ひぃぃぃ!?」

「アーハハハハッ!!
だせーっ!
カエルにびびってやんの!!」

「こら馬鹿息子ッ!あんたなんて事をしてんだい!」
「いでっ!!」

「ほらゴル君に謝って!!シェリルちゃんも」
「ごめんなさい」
「ちぇ…鬼婆め」
「なんだってえぇ?」

「ひぃぃ!!わかったよ!!ごめんなさいスミマセン!!今すぐ捕まえます!!」

「はは…は…いいんですよ…もういいから…早くこれをなんとかしてくれぇぇ!!」

「よしシェリー!!はさみうちで捕まえようぜ」
「うんわかった!!」

じりじりと子供達がカエルを狙い追い詰める

『せーのっ!!』
「ゲコッ!?」
両サイドから飛びかかられ
カエルはとっさに
真正面の、神父の顔面目掛けて飛び跳ねた。

「Σ!!!!!」

顔面にぺたりと張り付くカエル

「やべっ!!お、おいゴルド?」
「だ…大丈夫ぅ?」

覗き込む子供達

次の瞬間、盛大な音を立て
神父はその場に倒れたのだった…

それがこの村のいつもの風景、
賑やかで、のどかで、どこか騒がしい…
そんな平和な日常。
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