曲がりくねった世界

□ロザリー
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年齢:400以上
身長:184cm
仕事:城の庭園の管理
趣味:罠の設置・農具の改造・ヴラドいじめ




「何か」に願いの代償として死を奪われた不死の男。
基本的に無口だが、自らの血を差し出す相手のヴラドに対してやたらと辛辣な発言や、露骨な嫌がらせが目立つ。
ライラの体を元に戻す方法を探すため、城を留守にするヴラドに代わり、城とライラを守っている。
だがしかし、城主への嫌がらせはいついかなるときも怠らない。



かつての彼は、名前すら与えられない物同然の存在だった。
生きる為にはどんな事でもした…
暗い、死を望む一面が自分の中に潜んでいることを誤魔化すかのように、
生きるため…生きるため…ただ生きるためににあらゆる罪に手をそめてきた。
そんな人間だった。



ある日、手負いの状態で路地裏に倒れていた彼は、偶然通りすがったライラと出会い
彼女による手厚い介抱を受けながら、生まれて初めて誰かを愛する事を知った。

名も仕事もない彼は、彼女から名と働き先を与えられ、当時のヴラドがいた屋敷で、庭師として真っ当に働くこととなる。

始めのうちは無骨な仕事しか出来なかったが
、腕前が上がるにつれ、彼女への想いも高まっていく。
意を決し、彼女へプロポーズをした事もあったが…ヴラドの世話を理由に断られている。

それからは、そっと見守る事を決意した。
恩人である彼女が幸せに過ごせるのであれば…どのような事でもする覚悟だった。

その想いは後に屋敷へと嫁いできたヴラドの義母に見透かされ、
彼の容姿を気に入った義母から脅迫じみた寵愛を受ける事になり…後に生まれるラドゥの父となる。

その間も彼は、屋敷へと戻らないライラの身を案じていた。
彼が屋敷から離れることを、決して義母は許さなかったのだ。

二人を幽閉してから時が経ったある日、義母はそのことを、うっかり口を滑らせて告げてしまう。

その時
彼の中で眠っていた本性が目覚め…

気が付くと彼は

肉片の付いた斧を片手に、
血の海と化した屋敷に一人佇んでいた。

そこに人の形をしたものは存在しなかった。

彼は何度も、何度も、既に死んだ躯を刻んでいたのだ。

やっと得た平穏を失った。
罪もない使用人達の犠牲をも出した。
許されるはずが無い。
元よりそれだけの罪を重ねていたのだ…

だがそれらの思いをも、くらませる程の
義母への憎しみと殺戮への衝動だけが彼に残されていた。

その怨嗟は「何か」を呼び寄せ

彼の「死」と引き換えに、
義母の魂をその地へ永劫に縛り付けた。


潔く死を差し出すと言って、首に刃を当てた彼は気付く。

死を奪われた事により、永劫に死ねぬ身となった事を……。
苦痛だけがその身に残り、それを除いた全ての感覚から見放された彼は
屋敷が取り壊されるその日まで、ただ呆然と縛られた義母を見ていた。

やがて居場所を無くし、彼は放浪の旅に出る。

旅の最中、立ち寄った古城でライラと再会し

ヴラドを思う彼女の為に、尽きぬ身の血を捧げながらも、
彼女の居場所を守る役を買って出ることとなり、今に至る。
時として帰ってきた城主をいじめながらも。




再び得た平穏。
裁かれることの無い罪。

無骨な愛しか知らない男は

ただ只管に、
見返りの無い愛の為に
その身を捧げ続ける。



  
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