曲がりくねった世界

□シェイド
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年齢:100年前後
種類:コガネヒメグモ
苦手:蜂、炎
忠誠を誓った相手:カーミラ



長い黒髪をサイドで結った、忠誠的な顔立ちの青年。
生真面目な性格の反面、時折ずれた感覚を垣間見せる。

かつての彼はカーミラの住まう屋敷の物陰に巣を張っていた一匹の雄蜘蛛。
カーミラの血をその身に浴び、彼女の最初で最後の従者である蜘蛛の吸血鬼となった。

人間時の外見はカーミラの兄が元となっているが、血に含まれた女としての性質が色濃く継がれ、性別の変更も可能である。

敬愛する主の為にその姿で人を惑わしては、糸で自由を奪い、獲物の血を主へと捧げていた。

作られた当初は物覚えが酷く悪かった為に、些細な物事でもメモを取る癖がある。


正体を表すと、巨大な蜘蛛となるが、
無数の小蜘蛛に変え分散も可能。
構成する蜘蛛の数が減るほど力は弱くなる。

また、使役する小蜘蛛達に簡単な命令を出す事も出来る。
人間の姿時も糸を扱うことで多少の荒事はこなせるが、
コーヒーを飲むと酔っ払い、しかも超がつくほど好色で淫乱になったりする。
抑圧された彼の本性なのだろうが、やらかした記憶はハッキリと残るので当人はコーヒーを飲みたがらないようだ…

主であるカーミラの病が酷くなり始めてからは、
主を奇病から救い出す宛がある男の下にも仕えることとなり、
ある時は小蜘蛛の群れが形成した黒馬を従える御者の姿。またある時は女の姿で秘書として補佐をしながらに二人の主に仕えるようになった。

そのような生活が続くかと思われる中


彼が主へと捧げた百年は、
カーミラの探し人の情報を餌に、彼女へと近付いた道化師の裏切りにより幕を閉じる。

主を殺し、去り行く道化を彼は一人追った。
しかし、炎を操る道化師と力を得た蜘蛛とでは超えることの出来ない力の差があった。

炎に包まれ、執念で掴んだ相手の脚。

その手と心は容易く踏みにじられ、侮蔑の言葉をその身に浴びる…

彼が道化をいくら憎もうとも、
所詮は虫ケラにすぎない。
蜘蛛程度の憎しみでは「何か」を呼び出すことも叶わない…

憎んで、悔やんで、悲しんで、憤りながら、
彼は道化の炎に焼かれ…絶命する筈だった



そんな彼を死の淵から救い出した者が居た。


その人物こそ
帰る場所も、守るものも、何もかもを無くした彼の最後の拠り所なのかもしれない。




その人物の名前は…
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