捻れた本

□美を追求する主と四天王の日常
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世界…世界…世界…

脆い世界…儚い世界…

そして…なんとも醜い世界…

ああ、なんて愛おしいのだろう…!!
愛しくも醜い世界…
待っていておくれ。

僕が変えてあげるよ…

この力で…
…何よりも美しく…!!


ふふ…ふ…ハハハハハ!!」

「…で、その長い長い独り言の結果、こうなった訳かい?」

ひとしきり高笑いを終えた男に、黒いもやは口を△の形にして話かける。
「あぁ、黒もや君。居たのかい?
居たなら一言くらいかけておくれよ…」
白い絹のような髪を靡かせ、男は振り返った。
その先に居たものはうんざりとしたように返す。
「そりゃ勘弁してほしいね。
僕はどこにでも居るし、どこにでも居ないんだから。」

「へぇ…難儀な存在だねぇ」

「君に言われたかないよ。
それで、君は能力をそういう風に使った訳なんだ?」

黒いもやは男の佇むテラスから外の景色を見た(…目もない存在が見た、と言う表現も妙だが…)。
そこには辺り一面が結晶に覆われた、幻想的な大地が広がっていた…

そしてそれは、彼等が佇む結晶の城を中心としているようだ。

「結晶城ね。随分と趣味前回というか…悪趣味というか…」
道の所々に点在する結晶のオブジェが全て、男を模した者であるのが実に目につく…

「フフ、美しいだろ?」
「聞いちゃいないね。

あぁしかし城か、いいじゃないか魔王みたいで(棒読み)
四天王とかいたりして(笑)」

「おや、良くわかったねぇ」
「マジで?」
「野望を叶えるには忠実な手足が必要だからね、僕にふさわしい美しい四天王を集めたのさ」

「よくやるよ。まぁ君が新しい力を使えてるようだし、この世界にもなじめたようだから僕はこれで…」

「いでよ、ビューティフル四天王!!!」

「かえろ(マジで)」


『お呼びですか、"美しい"シュヴァイン様!!』
「うん、君達を紹介しようかと…あれ?」

男が辺りを見渡せども
そこには黒いもやは影も形もなかったという…


おわる
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