夜の本

□学者×吸血鬼
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〜気になって仕方が無い事があったとしたら
試してみる他ないだろう〜


今宵も夜が訪れる。
どこも、かしこも
平等に…

「レンフィールド、お前宛てに何か届いているぞ」
地下室の扉からひょっこりと顔を覗かせて
幼きこの城の主、ヴラドは配下へと声をかける。

「おやご主人様。
私宛てにでございますか。」
日頃研究に没頭していた配下から
今日は珍しく、直ぐに返事が返ってきた
レンフォールドと呼ばれたその配下は癖のある白髪に隈のある瞳と若干の猫背が、
どことなく陰気そうな雰囲気を醸し出している.

「差出人が書いていないぞ、どういうことなのだ?」
そんな従者をヴラドは紅の瞳で臆することなく見上げ、首を傾けた.
長く伸びた銀糸のような髪がさらりと零れ落ち、
配下はそれを舐めるような視線で見た後、唐突にその届け物へと反応を返す.

「あぁ!それ、ようやくきましたかぁ!!
かなり待っていたのですよぉ」

嬉々としてレンフィールドはそれを受け取る。
どうにも主の疑問に答えるつもりはないようだ。
「確かに渡したぞ。
では、私はこれで…」
役目は果たし、くるりと背を向けるヴラドに、
「あぁお待ち下さい!!」とレンフィールドからの声がかけられる

「一体どうした?
まだ何か用があるのか」

「えぇ実は……
どうしても調べたい事がありましてねぇ。
それにはご主人様のお力も必要でして」

「ふむ?私で良ければ力を貸すが」
ヴラドは不思議そうに従者を見上げ、幼い無垢な瞳を向ける
「有り難きお言葉!
流石は我が偉大なご主人様!!
さあさ奥へ奥へ!!」

「う、うむ…何なのだ?一体…」
従者に手を引かれ
地下室の奥へと誘われる

「あぁ、あった。これだこれ。
ご主人様、腕を貸して頂けませんか?」
「ん、わかった」
「それとあと、現在何時か時計を見て下さりませんか」
「今か?今は……痛っ!」
よそ見をしていた一瞬の間に、注射器を打たれていた。

「一体何のつもりだ!?」
「いえ何、知的好奇心を満たす為の実験に過ぎません。
悪いようには致しませんよ…」
そう言ってレンフィールドは不気味な笑みを浮かべた
「…何を…」
「例えばまず、このような薬剤がご主人様に効果を及ぼすかです。」
レンフィールドが喋る中、ヴラドはふらつき、壁に背を預ける
「基礎代謝が高い分、薬剤がまわるのが早いか…
抵抗力が高い分、薬剤が効かないか…

ふむ、様子を見る限り前者のようですね?」

苦しげに息を荒げながら、ヴラドはレンフィールドを睨んだ。
「…っふざけた真似はよせ…」

「ふざけてなどおりませんよ。
しかし、効き目が悪いと不安ですのでもう少し薬剤を投与してみましょうか」
「離せっ!!一体何のつもりなのか説明をしろ!」
「まぁまぁ、落ち着いてくださいよぉ。」

すかさずもう一本の注射器が打たれた
「つぅ…!!!」

「首に牙をたてられるよりは、痛くないでしょう?」
「貴様は…はぁ…従者として…っ
最低…だ…!」
「存じておりますとも」
薬を打たれてから、
更に体が熱くなった
熱と共に呼吸も荒くなる
やがて、熱と謎の疼きに耐えられなくなり
ヴラドは床に座り込んだ
「くぅ…私に何を…」
「ちょっとした快楽物質ですよ。
ご主人様のような体でも、効果は出るのですね」
しゃがみこんで、レンフィールドは満足げにヴラドを見つめた。
「では次の疑問を解明しなくてはね」
銀の長い髪をどかし
リボンタイを解く。
「何を…する…」
ボタンを外していき
一部静脈が透けて見える、病弱な程に白い肌が露わになった
「衣服を汚す訳にはいきませんからねぇ」
「…っやめろっ!!」
シャツが取られ、次はズボンに手がかけられた。
止めたくても、体に力が入らず抵抗出来ない。

あっという間に全て脱がされてしまった。

「さて次の疑問を晴らす時です。」

「…お次は何だ」

「薬剤で性的興奮は得られたようですが。
その未成熟な身体で射精出来るかどうかですよ
ご主人様は随分と長いこと、その体の時を止めていらっしゃるでしょぅ?」

「ぇ…?
あぁっ!お前…どこを触って……やめろっ…そのようなところ…っ」

「ふむ、感覚はありますか。
気持ち良いでしょう?」

「うぅ…何を馬鹿な…ぁ…っ」

まだ幼いそこをいじられ、
ヴラドは味わった事もない感覚に身悶える

「もう嫌だ…!!
やめろっ…やめ、て…
うぁっ、あ…ぁ…」

ヴラドは何度もやめるように叫ぶが、
それは聞きいれられる事はなく
ただ暫くの間、レンフィールドにいじられ続け、声を上げ続けていた

「…ぁ…やだ…いやだ…いや、嫌ぁ…!
お願っ…もう…やめっ!
やあぁっ!!」

「駄目そうですな」

散々弄り続けた後、
レンフィールドはそう結論付けて手を離した

「おぉ、おいたわしや。
未成熟のままで時が止まったままとは…
生涯子孫は望めないのですな」
「…っ…///」

もはや反論する体力すらなかった。

「さて、この辺りで切り上げて置きましょうか。」
ちょっと物足りませんが、あまりやり過ぎると後が怖いですし…
そう呟く声を聞きながらヴラドは疲れと
突如としてかがされた睡眠薬から、意識を手放した



目が覚めればそこは地下室の寝台の上。
「おや、お目覚めですかご主人様!!」
と言うレンフィールドの姿。
「レンフィールド…貴様っ!!」
起き上がり、ヴラドは不敬な従者の胸倉を掴む
「お、おやめください!何があったと言うのです?」「何がだと?
お前は…私にっ…!」
「落ち着いて下さい!
どのような夢を見たか知りませんが!」
「夢…?」
「新薬の実験に手を貸して頂いた所、ご主人様は忽ち眠りについてしまったのです」
「そんな馬鹿な事を…!」しかし、そう叫ぶ中
何故なのだろうか.その「夢」だった。という言葉が疑いようの無い事実のような錯覚を覚えてしまう。
「夢だった……?
いや…そんなまさか…」
「そう、きっと貴方は夢を見ていたのですよ。
夢をね…」
「そうか…夢を…」
「そうですよ、夢です」
レンフィールドは不気味な笑みを浮かべ
幼い外観の主に言い聞かせたのだった。

取りあえず得られた
疑問への答えと薬剤の効果に満足しながら…



end

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