夜の本

□賽と絵師
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〜適当なあらすじ〜賽子がまだ人間だった頃
貧しい少年、賽に旅の絵師がモデルになったらお金をあげるよと言うので
それならいいかなと承諾し
出されたお茶を飲んだらそれには催眠薬が入ってた為にぐっすり。
目覚めた少年をまってたのはセクシャルバイオレンスな運命でした的な



出された茶に入れられた薬で眠らされていた少年。

次第に意識が回復しようやく、
暗闇の中、彼は目を覚ました。

「な…なんだよこれ…」
暗闇の中、荒縄で縛られ、吊された賽は
己の置かれた異常な状況に驚愕する。

着物ははだけ
両手両足を縛られ
拘束され

その様をぼんやりと蝋燭が映し出していた。

「なぁに心配するな…殺したりはしねぇよ」
その声の主は先程の絵師だった。

「は?

ってめぇ!
さっきは変なもん飲ましやがって…!!

なんだよ、これ!
さっさと解きやがれ…っ!」

必死にもがき、暴れる少年に男は
「まぁそう暴れるな」と落ち着いた返答を返す。

「絵を書き終えたら下ろしてやるさ。
金だって払う。
確か、そういう約束だったろ?」

それは確かに少年が男と約束した事だった。
とはいえこんな状況に置かれるとは本人も予想しておらず

もし、解っていたなら当然断っていただろう。

「だからって…
こんな目に遭うって知ってたら断るに決まってんだろ!

第一、薬かなんか使うような輩とか…っ
冗談じゃねぇよ、おろせよっこの野郎!!」

ギャーギャーと喚き、暴れる賽に
男は
「うるせぇ餓鬼だ…」
と静かに呟くと、
つかつかと少年の元へ歩み寄り
髪を掴んで無理矢理に目を合わさせた
「痛っ…!」

「お前は確かに約束しただろう。
それを何だ、今更喚いて。

薬で眠らされただぁ?
寝た方が悪いんだよそんなの。

金さえ貰えりゃお前等みたいなのは喜ぶ事ぐらい知ってるんだよ。
ああもう面倒臭ぇ

なんなら、倍額出してやるよ。嬉しいだろぉ?
だから大人しく尻尾振って従いやがれ、餓鬼。」
「…っ」
相手の変わりように一瞬少年はたじろぐ
が、しかし
それでも男を真っ直ぐに睨んだ

「気にくわない目だな…」

「そりゃ悪かったな…俺、お前みたいな奴が一番大っ嫌いなんだよ。」

「ほう?」

「金さえ出しゃ何してもいい、とかそういう考え…それだけでも嫌いだけど…

俺等を人間扱いしやしねぇ…それ以下だって当然のように思い込んでる奴…っ
大嫌いなんだよそういうの!!」
「それはそれは」

「もう金なんざ要るかっ!
はじめ、ちょっとはいい奴と思った俺が馬鹿だった…!!

やめだやめっ!!
誰がお前みたいな奴に協力なんかするか…!!
こんな縄…っ意地でも抜け出してやるよっ」

「…確かに、ほんと馬鹿だよなぁ」

男はそう言い

なんの前触れもなく
少年を蹴り飛ばした
「ぐ…っ!!!」

「こんな状況で相手に楯突くなんざ、正気の沙汰じゃねえよ
なぁ?」

再び腹を蹴る

縛られた少年は抵抗する事も出来ず
その暴力に蹂躙された。

「やめだやめ。
絵なんざやめだ。
金もやるものか。
そうだなぁ…ここからは…」

冷たい目が
少年を見下ろす

「日頃の鬱憤を、ここにいる野良犬で晴らす事にしよう…」
ここにきて
少年はようやく自分の気質が致命的な事に気付くが

既に時は遅い。
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