薄桜鬼

□舞姫
1ページ/4ページ






土方:
「夏祭りの舞姫にっ」


斎藤:
「ち、千鶴が、」


藤堂:
「選ばれただとぉー?!」


千鶴:
「ええーっ!?」

















桜の木は、
すっかり緑の葉を生やし、

その葉々は
初夏を思わす
少し湿った風に
揺らされている。

日差しもだいぶ強くなり
新選組屯所の縁側には
ちりん、ちりんと
涼しげな音を立てる
風鈴が、
もうすでにかけられており、
雲一つない
青く晴れ渡った空を
まるで泳いでいるよう。



そんな皐月の
ある日のこと。



突然、
門番をしていた隊士が
土方の部屋へ現れた。




「副長、六番組の芦田です。」



土方:
「どうした?入れ。」



芦田:
「副長、なにやら
若い娘が新選組幹部に
お目通し願いたいと・・・。」

土方:
「若い娘だぁ?」


目を通していた
書状からあげた顔は、
眉間に皺が寄った
不機嫌そのものだった。



芦田:
「へ・・・へい。
どうしやしょう?」



土方:
「どんな奴だ」




芦田:
「きちんとした
身なりの娘です。
そこらの町娘というよりかは
どっかの姫さんのようで・・


もう一人は
芸者のような・・・」




土方:
「・・・・広間へ通せ。」



芦田:
「へっ?いいんですかい?」




土方は
はあ、とため息をつき、



土方:
「見当はついてる。」



芦田:
「へ、へぇ、わかりやした。」










******








土方:
「何しに来た」



腕を組み、
威嚇するような声で
土方はその来客者に言う。


広間には、
日中の巡査組ではない

沖田、近藤、土方、
斎藤、藤堂の順で5人が
その来客者を囲むように
座っている。



そこへ・・・


千鶴:
「失礼いたします。
お茶をお持ちしま・・・・! 」

客人を見た千鶴は
目を見開く。






.

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ