約束ノ記憶

□★あらすじと主な登場人物
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約束記憶
−大正純愛浪漫記−


大正時代の京都・東京が舞台となります。



あらすじ…



主人公の【立花 すず(たちばな すず)】は、
過去の恋愛に苦い思い出を持ち、
それがトラウマとなって
なかなか新しい恋ができない21歳。


そんなすずが、
現実での恋愛から逃避してたどり着いたのが、

俗に言う「乙女ゲーム」という、
女性向け恋愛シュミレーションゲーム。

毎日かかさずゲームを持ち歩いては、
画面の向こうの「好きな人」から
愛をもらって幸せに浸る・・・。

乙女ゲーマーなのでした。





12月24日のクリスマス・イブの夕方。

学校帰りに、
幼馴染の【宗(しゅう)】から、
「今すぐバス停に来て」というメールが届き、いつも利用するバス停へ向かう。

そこで待っていたのは、
サンタクロースのお面を被った、
いつもと雰囲気の違う幼馴染の宗。

彼はすずに手招きだけすると、
無言のままバスに乗る。

宗の不審な行動に少し戸惑いつつも、
すずは宗と一緒にバスに乗った。




家に帰るんだろうか?

そう思っていたすずだったが、
家の最寄の停留所の一つ手前で
宗はすずの手を引き、急に降りてしまった。


そうして連れて来られたのが、
昔、祖母とよく来ていた「伏見稲荷神社」。

宗の行動の意図がわからないすずは、
なぜここに来たのかを聞くが、
宗はなにも答えてくれない。


怖くなったすずは抵抗するが、

宗に「信じくれ」と言われ

鳥居の中へ足を踏み入れてしまう。



その瞬間、
「入ってはいけない!」と見知らぬ声が聞こえたのと同時に、突然体が参道の奥へ「落ちていく」という感覚に陥る。

一緒にいたはずの宗もいつの間にかいなくなってしまい、変わりにどこから現れたのか、神主のようなの姿をした男性に体を抱えられ、そのまま参道の奥へと「落ちて」いく。
すずはその「落ちていく」感覚に、恐怖のあまり意識を手放してしまった・・・―。










目が覚めるとそこは

【よく知っている】、見知らぬ部屋だった。






―――――――――――



自分はここで生活していた記憶がある。

でも、こんな場所は知らないと思う自分もいる。

自分の中にもう一人の自分がいるようで、
すずは混乱してその部屋を飛び出す。

すると、目の前に現れたのは、見慣れた「伏見稲荷神社」だった。






そこで【天乃(あまの)】という神主と出会う。
彼が、「入ってはいけない」と叫んだ声の主であり、すずが落ちていくときに助けてくれた人だった。





彼が言うには、

ここは間違いなく「伏見稲荷神社」らしい。

ただ・・・





***********

天乃:
「ここは、お前がいた時代から100年過去の世界だ。

お前はあの【開いた鳥居】から、魂だけ過去の世界に来ちまったんだよ。
その体はお前の前世、
お前の祖先の体だ。

名前は【鈴(すず)】。

先月、住んでいた借屋が
火事になって、
ここに居候してる。」


名前が同じ、私のご先祖様・・・。

そうか、
この場所を知っていると思ったのは、【すずさん】の記憶か。


それから天乃は、
私がここへ来てしまった経緯を話してくれた。

彼は「氏神」の力を持っていて、
この伏見稲荷神社の土地の中なら、どの時代へ行くこともできるらしい。

その力に目覚めたのは1年前。
その時初めて、私のいた「平成」の時代に来たのだという。

この時代を巡る力を使って、
この辺りで一番力のある
【宮東家】で情報屋の仕事をしており、
先の世界で見たことや、
それに関する助言をしているのだと言う。

そして、初めて「平成」に行ってから1年後の今回、
宮東家に依頼され、
2回目として「2012年」に訪れ、調査を終えて帰ろうとしていた矢先の出来事だったそうだ。







時間を超える手段は、あの長い鳥居の参道を「開く」のだという。

ただこの力は、とてもたくさんのエネルギーを消費するため、頑張っても1年に1度使えるか使えないからしい。


そしてあの時一緒にいた
宗・・・少年ははどこにいったのかと聞くと、

おそらくここには来ていないと言う。






すず:
「いったい何故?
宗はどうして私をここへ?


まさか、有香の言っていたことってこれ?
やっぱり私の事、嫌いだったの?」



思わず涙が出そうになった
その時・・・



すぐ近くから
−ブロロロロ−と、
重たく、聞き慣れない
エンジン音の様な音が外から聞こえてきた。



目を向けると、
3台の、「私からしたら」古い形の車が境内の中入ってくる。



天乃のお客さんらしい。


天乃:
「俺が戻ってくるまで、この部屋にいろ。
面倒だから外には出るなよ」


そう言って天乃は行ってしまった。



一人になり、
悶々と色々なことが
頭を駆け巡る。

宗・・・・。

これからどうしよう。

時代を超えてしまうだなんて
本当にゲームの世界のよう。

絶対に有り得ないと
わかっていたから、
何度も望んでいたけど、
まさか本当に起こるなんて。

実際に知らない世界に来ると
こんなにも心細く、
不安なんだと実感する。


だが、不安な中にも、
どうせ過去に来るなら
大好きなゲームの世界がよかったなあ、なんて少し思う自分もいる。

・・・そういえば、天乃を雇っている人の名字、「宮東」だった。

大好きなゲームのキャラと、名字は同じだ。
でも、天乃なんてキャラ出てこないし、きっと偶然だよね。


そんなことより!

宗のことが気がかり・・・。










ふと、足音と話し声が聞こえてきた。

それも何人もの。




・・・・・・・。


すず:
「ん?」

聞き間違いだろうか?



・・・・・・・ず!




すず:
「!!!!」


聞き間違いじゃない!

宗の声!!!



その声に誘われて、
思わず私は部屋を飛び出す。



思い切り開けた障子の向こうには、

現実にはいるはずのないが人
立っていたのでした。




*******************

――――――――――

そこに立っていたのは、
すずが大好きだった
ゲームのキャラクターに、
見た目がそっくりで、
名前も同じだと言う
宮東和人と宮東要だった。



過去の現実世界に
2人が存在していたのか。

はたまたこれは、願望から見る夢なのか。





これから先、すずはどうなるのか




―――――――――――









主な登場人物



【立花 すず(たちばな すず)】



主人公。

大学4年生21歳。

温厚で明るく、芯の強い性格だが、
人に言われた事を真に受けすぎて気にしすぎる部分がある。

人の機嫌に敏感で、
いつも自分を取り繕ってしまう。

反対に、幼馴染みの二人の前では、自分を取り繕うこともなく、むしろ考えていることが漏れているとよく言われる。


特技は、歌。
透き通った声の持ち主でとても上手いが、
本人はそうでもないと思っている。

過去に恋愛で傷つき、
恋をすることから逃げていた結果、
乙女ゲームにハマる。

ハマッているゲームのタイトルは
「大正純愛浪漫」という、
大正時代がモチーフのもの。




【成瀬 有香(なるせ ゆか)】


主人公の幼馴染の一人。
家は主人公の向かい側。

保育園からの付き合いで、
主人公と同じ大学に通う。

見た目は綺麗だが少し男勝りで言葉が汚い。


現実に彼氏募集中。





【浅野 宗(あさの しゅう)】



主人公と有香の幼馴染。
有香の隣の家に住んでいて、主人公と有香とは
保育園のときからの付き合い。

今も同じ大学に通っている。

成績優秀で、学年主席。
またスポーツも万能で、
バトミントン部に所属。
全国4位の結果を持つ。

無愛想だが優しく、主人公の事を大切に思っている。






【天乃(あまの)】声のイメージ:関 智一さん




伏見稲荷神社の神主をしているが、

本当の正体は「氏神」の力を持ち、
その力で現世に来た「過去」の人物。

元の世界では、
宮東家専属の占い師もしている。

世話好きで、主人公のことも助けてくれる。


「お前は転ぶなと言うと転びそうだな」

「俺は人でありながら人ではないんだ」








【宮東 和人(みやひがし かずひと)】声イメージ:宮野真守さん



すずの好きなゲームの中の人物。
大物政治家 【宮東 徹(みやひがし とおる)】の長男。
27歳の若さで、次期首相候補にあがっているほどの人物。
「家を継ぐ者」として必要なものだけを学んできたため、自分の意思がない。


頭がよく真面目で、論理的に説明のつかないことは好かない性質なので、感情論や恋愛観が全くない。

言葉数は少なく、無表情だが、
思ったことははっきりと言う性格。

特技は、バイオリン。


「私は宮東和人という【器】だ。その中に俺の意思は存在しない。」

「【傷つく】といった感情は持ち合わせていない。故に【傷つけた】と思うこともない。」


「私は、今お前を離したくないと思った。
それがお前の言う【私自身の気持ち】というものなのだろうか。」




【宮東 要(みやひがし かなめ)】声イメージ:緑川 光さん





すずの好きなゲームの中の人物。
和人の双子の弟で、宮東家の次男。

俺様な性格だが、根は優しい。
和人同様、頭はいいのだがどこか少しぬけている。
現首相の秘書を勤めている。

思ったことははっきり言う性格。

特技は、絵画。



「何故、俺がお前に優しくせねばならぬのだ!」

「ほう?なんでもする・・・か。
二言はなかろうな?」

「お前は俺のものだ!
宮東の名など捨てる覚悟はできている!」




【鳴海 浩次(なるうみ こうじ)】声イメージ:鈴村 健一さん



すずの好きなゲームの中の人物。

宮東家の使用人頭 兼 和人の秘書。26歳。

優しく、しっかりしている性格。

主人公のこともいろいろと面倒を見てくれる。


「無理はいけません、私を頼ってください」

「私がもし、宮東家の使用人でなければ、
とうにあなたを攫っています。」










【大鳥 恭平(おおとり きょうへい)】声イメージ:森久保 祥太郎さん



すずの好きなゲームの中の人物。

宮東家の使用人副頭 兼 要の秘書。32歳。

器用で優しいが、大人の色気を常に振りまき、
主人公にもちょっかいをだしてくる。

同じ使用人に手を出しては、
浩次に怒られている。

だが、仕事となったら人が変わったように真面目になる。・・・らしい?

「今夜、部屋の窓を開けといてくれるかな?
俺のお嬢様。」

「いいかげんにしろ、餓鬼の駄々には付き合ってられねぇんだ」








【西園寺 大海(さいおんじ ひろみ)】声イメージ:岸尾 だいすけさん



すずの好きなゲームの中の人物。
現首相である【西園寺 公光(さいおんじ くにみつ)】の長男。
25歳。

若いが才能に溢れ、首相支持派の当の党首を務める。

人嫌いのない、
明るく賑やかで優しい性格だが、
たまに違う一面も・・・?

主人公に興味を持ち、ちょっかいを出してくる。

歌劇が好きで、特技は社交ダンス。


「きみ、かわいいね!
俺のお嫁さんにならない?」

「いや〜ぁな感じっ!!」

「なに?いじめてほしいの?そういうのを御所望?」

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