賜り物置き場

純情チーク
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*純情チーク


珍しくココさんが拗ねていた。

「どうかされたんですか」
「何でもない」

そうは言っても私が先程用意した紅茶は冷めていくだけだし、指先からほんの少しずつ漏れた毒が進んでない小説のページを汚してる。

「ココさん、」
「…なに」
「紅茶入れ直しましょうか」

きっと紅茶がいけなかったんだわ、お湯の温度を間違えて薫りが消えてしまっていたのかも。
ココさんは横目で私を見ると中途半端に温くなった紅茶を一気に飲み干す。
ああ、そもそも今日は珈琲の気分だったのかしら。

「…座って、」

彼は読み掛けの小説を閉じて対面する椅子に座るように言い、穴が空きそうなほど私を見つめたあと意を決したように口を開いた。

「占う。僕がいつでも占う、から」

ココさんの頬が紅い。そう言えばそろそろチークが無くなりそうだったわ。

「…何を占ってもらったんだ」

新しいチークは貴方の頬の色にしよう。

「ココさんに逢える日を占って頂きました。」
外れてしまいましたけど。

ココさんの頬がますます紅くなって「それこそいつだって」と。

「ふふ、でも占いより二日も早く逢えたりするのは案外嬉しいものなんですよ」

なんて言ったら占っていただいた方には失礼かもしれませんが。

ココさんがすこしだけ不服そうに眉をよせたけど、瞬きをした後にはいつものように笑っていた。

薔薇なんて愛らしい色じゃあなくて、ワインなんて煽情的な色でもなくて。それらとパールホワイトなんかを程よく混ぜた感じ、なんて意図せず適当な表現になってしまうぐらい曖昧な色。

店頭に売っているかしら。



/end



‐‐‐‐‐‐‐
『太陽の心音』雨云様より!
縁有って頂いてしまいました!!

拗ねココ様可愛い!そして私の好きな敬語ちゃんです…!!お願いしてみるもので御座居ますね^^←
雨云様の詩編のようなテンポの良い柔らかい文体に、敬語ちゃんです。敬語ちゃん…本当に可愛い…、そしてココ様も…可愛い…!

私はアダルティックな彼しか書けないので、ただただ尊敬します。本当に。私がやるとエロ入りますから。確実に入れますから←←

雨云さま、この度は本当にありがとう御座居ました!
美味しく頂きました^^


(10.05.25/UP)

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