03/28の日記
23:52
ザンツナ♀
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「はぁっ・・・」
口唇が離れると、綱吉の口から満足気に吐息が漏れた。
どうして、口唇を重ね合わせるだけで、こんなにも幸せになれるのだろう。
ザンザスもそうなのかな。少しだけ期待しながら顔を上げると、綱吉の想いとは裏腹に、ザンザスの眉間には皺が寄っている。
「・・・ザンザス?」
不安そうに名前を呼ぶと、眉間の皺が少し和らいだ。
「どうか、した?」
「いや・・・」
短く言葉を切ったザンザスは、そっと指先で綱吉の口唇を撫でる。
「何か、食ったか?」
「へ?」
「不味い」
不味いって、何が?今、キスしてたんだから・・・口唇?口唇の、味・・・。
そこまで考えて、綱吉は思い至る。
「分かった!」
「あぁ?」
「リップクリーム、新しいの買ったの」
これ、と机の上に置いたポーチから件のリップクリームを取り出す。
「この前買ったんだけど、自分で口唇舐めたら苦かったから・・・」
それだよね?と言外に聞くと、ザンザスは頷いて肯定した。
「だからか。いつもと味が違うと思った」
「前のリップの方が、いい?」
小首を傾げながら問うてくる綱吉に、ザンザスの口元が綻ぶ。
指先で綱吉の顎を持ち上げて、顔を近付けた。
「まぁ、苦いよりは甘いほうがいいと思うが・・・どっちでも構わねえよ」
ちゅっと音を立てて、綱吉の口唇にキスが落とされる。
「お前自身が美味いからな」
明日、リップクリームを買いに行こう。
真顔でサラリと恥ずかしい台詞を言われた綱吉は、頬を染めながらそう思った。
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