07/18の日記

23:24
ザンツナ(♂♀どっちでも)
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◇一応にょたですが、男の子でも全然問題ないです(笑)




午後2時ちょっと過ぎ、綱吉はようやく起きて、階段を下りてきた。
リビング、台所、庭、何所を見ても誰もいない。昨夜遅くまでゲームをやっていた所為でまだ目覚めきっていない頭を軽く振って、今日はみんな不在だったということを思い出した。
奈々は家光と2泊3日の温泉旅行。リボーンは久しぶりに愛人達に会ってくると言ってイタリアに帰国中。ランボはボヴィーノに里帰り中。ビアンキ達も、それぞれ用事で出掛けている。

「今日から3連休、俺1人かぁ・・・」

呟いて、まずは空腹を満たそうと台所へと入る。

「何食べよう」

感覚的には朝食だが、時間的には昼食どころかオヤツと言ったほうがいいぐらいだ。あまり重いものを食べてもなぁ、と思いながら、綱吉の目があるもので止まる。

「ホットケーキでいっか」

そう決めて、テキパキとホットケーキを作り始める。昔は卵ひとつマトモに割れなかった綱吉も、高校に入った頃から奈々に料理を教わり始め、2年経った今では相当凝った料理も作れるほどの腕前にまでなった。だから、ホットケーキを作るぐらいは文字通り朝飯前だ。
大きめのを3枚焼いて、たっぷりとシロップを掛ける。紅茶を淹れ、テレビを見ながら食べようとリビングへ移動した。

「いっただっきまーす」

我ながら綺麗に焼けたなぁ、と一切れ口に運ぶ。

ん?

綱吉は首を傾げる。美味しく、ない。なんで?
粉は、いつも家で使っているホットケーキミックスを使ったし、牛乳と卵も、いつも買っているやつだ。作り方なんて、ただ混ぜるだけだし、焼き具合だって、綺麗にふんわり中まで焼き上がっている。
パクン。もう一口食べてみる。やっぱり、美味しく感じない。
フォークを皿に置いて、ホットケーキを睨みつける。
何か、間違ったのかなぁ・・・。

「なに眉間に皺寄せながらホットケーキ食ってんだ、お前は」
「え?」

予想外の声に顔を上げれば、そこに立っていたのは、恋人であるザンザス。その突然の訪問に、綱吉は口を開けたままポカンとしてしまう。
ザンザスは綱吉に向かって歩いてくると、その隣に腰を下ろす。手を伸ばしてフォークを掴み、ホットケーキを一口食べたところで、やっと綱吉が我に返った。

「だ、ダメっ!!」
「あ?」
「食べちゃダメ!」
「心配しなくても、全部食ったりしねえよ」
「そうじゃなくて・・・」

美味しくないから。そう口にする前に、ザンザスの大きな手が綱吉の頭を撫でる。

「美味い。昔はこんなの作らせたら消し炭になってたのに、見違えたな」
「だって花嫁修業頑張ってるから。ってそうじゃなくて、美味しくないから食べちゃ・・・え?美味い?」
「ああ、美味い。ただちょっと、甘すぎだがな」
「嘘、だって・・・」

ザンザスの言葉に、恐る恐る一切れ口に入れてみた。ふんわりした食感、シロップの甘さが口に広がる。いつものホットケーキの味。いや、いつもよりも美味しいような気もする。

「・・・美味しい」
「さっきからそう言ってるだろうが」

でもさっきは。言いかけて、綱吉は気付く。
さっきと今、何が変わった?

「ザンザス」
「ん?」
「来てくれてありがと。おかげで俺、大事なことに気付いたかも」
「別に、礼言われるようなことはしてねえ」
「でもザンザスのおかげだもん」
「そうか」

またその大きな手で頭を撫でられ、綱吉は嬉しくなって微笑みを返した。



独りよりみんなと。みんなより貴方と。
一緒に食べるから、きっと美味しい。








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