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夢と希望の光
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夢は終わらせなければいけない、と少年は言った







夢は強く思えば現実になる、と少女は言った







夢は現実になればいい、と少年は思った――――

























【夢と希望の光】















『ティーダ』



自分の名前を呼ぶ声に、ティーダは目を向ける。






――秩序の舘,自室。






ベッドに仰向けに寝ていた時だった。



目を向けるところに一人の少年がフードをすっぽりと被って佇んでいて
口元しか見えないその少年に見覚えがあった。




「バハムートの…祈り子…?」


ティーダがぽつりと言うと、少年はうなずいた。



『ごめん…。またキミを戦いの世界に巻き込んで…。』



少年は俯いてそういった。



「祈り子のせいじゃないッスよ。
オレは、皆を助けられるならそれでいいんだ。」



そう言って笑うティーダには迷いがなかった。



「あんたも大丈夫なのか?
オレをこの場に存在させるってことは、
また夢見ないといけないんだろ?」




『今回はキミ一人だから大丈夫だよ。
この闘争が終わるまで、ボクはキミのそばにいるから。』



そっか、と微笑むティーダ。



『ねぇ…。本当に、この世界に光があると思う?』



少年の問いかけに、ティーダは困ったように首を傾ける。



でもまっすぐに少年を見て口を開いた。



「オレも、光なんかないんじゃないかとおもった。
その光で闘争が終わるなんて、信じられなかった。
…今も少し思う。
求める光の全てが希望じゃない、と知ってるから…。」



悲しげに言うティーダの目の奥には、
かつてどこかで闘った時のことが映っていた。




「光を手にいれても,希望が手に入るとは限らない…。
それはよくわかってるつもりッス…。
だからこの世界に求めるべき希望があるのか…。」




でも!と顔をあげたティーダ。


「コスモスが言うならそれを信じて進むだけッス!
リーダーも完全にコスモスに従ってるしな!」



はは、とティーダは笑い、祈り子を見た。



『そう、だね。ありがとうティーダ。
僕はずっとキミのそばにいるから…。』



そう言って、少年は消えた。




ティーダは天井を暫く仰いだ後、うずくまって膝をかかえた。











――この闘いが終わったら皆元の世界に帰る……この世界から、消える…………。




オレ、も。「また」―――














――今ここで存在できているなら。

今ここにいる意味があるなら。




誰か、願って。

強く想って。




消えたくない。

離れたくない。






夢は
終わらせないといけない。





でも
強く思えば現実になる。







なら、どうか。






夢を現実にしてください――――














END























あとがき



求める光が全て希望ではないことを知ってるティーダ。

それでも追い続けると。

…ティーダが求める光は「夢を現実に」。

消えなけれならない,それが自分の物語

そうわかっているのに。



はぃ、たまにはシリアス。

なんかティーダは凄く切ないと思います。

元の世界で消え、
呼ばれて再び闘いの螺旋に入り
そしてまた消える…。

こんなに切なくて儚い主人公いますかっ!?←

シリアスを書くと泣きたくなります(笑


ここまで読んでくださってありがとうございます\(^O^)/

次回もよろしくお願いします。






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