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□ある日のこと
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〜鴇SIDE〜
篠ノ女…。
今日何か様子がヘンだ。
オレが遅れてきたから怒ってんのかな…。
オレから目をはなすし、どうしたの?って聞いても空返事だ。
…オレじゃ…。
飽きちゃった、のかな…。
今だってほら、どんどん先に行ってしまう。
オレじゃ…。
ダメなのかな…。
…鴇はザワザワする人混みを歩いていた。
少し離れたところに篠ノ女。
鴇は捨てられるんじゃないかと不安な気持ちを抱いている。
「うわ…。なんか気持ち悪くなってきた…。きっと人混みに酔ったんだな…」
彼岸では都会に住んでいたから別に人混みに慣れていないワケじゃなかった。
でも、見慣れない土地で、見慣れない人達がワラワラいるからだろう。
あと…。
この不安感がもうひとつの原因かな?
篠ノ女は気付いてない。
すたすたと先に行ってしまう。
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