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ある日のこと
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今。



篠ノ女紺はキセルを口にくわえながら、ある人を待っていた。




…ここは日本橋。



着物をまとった、身長の低い人々が行き交う場だ。




その中で、ふぅ、と紺は短いため息。




呆れてるとか、

怒ってるとかではない。



これはきっと…そう、緊張、や楽しみ、といった感情だろう。





そして、そんな紺が待ちこがれている相手があちらから走ってくる。



六合鴇時だ。




「ごめん、篠ノ女!」




「ったく、いつまで待たせんだよ」



「あれ、怒ってる?」



「当たり前だろ?」





うそ。



ホントは怒ってなんかない。



ただ、鴇の困ったような顔が見たかっただけだ。





紺の思惑通り、鴇は焦ってるような、戸惑っているような顔をした。




「え〜と…。ごめん、篠ノ女。」




「……。おー。」




「まだ、怒ってる…?」



「いや…。」



「じゃ、なんで顔背けるのさ。」



「……っ…///」














お前がそんな顔するからだろう!?




確かにして欲しかったが…(ぉぃ



上目使いは反則すぎる…!




「ち、茶屋でもいくか」



「あ、いいね、それ」





大丈夫かな、おれ……。





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