Sーhort


今のままで‐sideA‐
2ページ/2ページ





 「まったく乱馬のヤツっ!掃
 除サボってどこに逃げたのか
 しらっ」

 「あかねっ」

 「!?…乱馬っ?」

 「へへっ」

 「へへじゃないわよっ。掃除
 サボってなにやってたのよ?
 」

 「ちょっと屋上で寝てた」

 「あ、あのね〜〜!!寝てる暇
 があったら掃除ぐらいしなさ
 いよねー!」

 「悪い悪いっ」

 「はぁ〜…。…まぁいいわ。
 それより、どうしてわざわざ
 屋上で寝てたのよ?家に帰っ
 てから寝ればいいのに。」

 「べっ、べつに!なんとなく
 今日はそーゆー気分だったん
 だよっ」

 「…ふ〜ん?」

 「それよりもっ」

 「?」

 「おめぇ、…今日はなんか変
 じゃねーか?」

 「?どこが?」

 「どこがって…その…。なん
 か…元気ねぇじゃねぇか」

 「え?…乱馬もそう思ったの
 ?」

 「『も』って?」

 「ゆかにも同じこと言われち
 ゃった…」

 「そりゃあ、誰だってそう思
 うだろーぜ。普段から狂暴な
 おめーが、今日は一度も俺を
 殴ってねーんだからな」

 「…喧嘩売ってんの?」

 「い、いや。そーじゃなくっ
 てよーっ!…だ、だからっ…
 その〜…なんかあったのかよ
 ?」

 「え?」

 「べっ!別に心配してるわけ
 じゃねーからな!!おめーが
 そんなだと調子狂うから仕方
 なくだな…」

 やっぱり心配してくれてんじ
 ゃない…。

 素直じゃないんだから。

 …もしかして、今日屋上に残
 ってたのも…?

 …それはいくらなんでも考え
 すぎ…かな?

 …でも、もしそうなら…嬉し
 い

 …そうだったら、いいな。


 「なんにもないよっ」

 「けど、なんかおめー、いつ
 もと違うじゃねぇか」

 「…ねぇ、乱馬」

 「ん?」

 「あんたって、どんな女の子
 が好きなの?」

 「へ?」

 「だ、だから、おっ、おばさ
 まみたいな、おしとやかでお
 となしい人が好きなんじゃな
 いのっ?!」

 「オフクロみたいな…?」

 「そーよっ」

 「…オフクロっておしとやか
 かもしれねーけど、恐ろしい
 ぜ…?」

 「え?」

 「だってよー、あの日本刀を
 ちらつかされたら、誰も逆ら
 えねーじゃん。」

 「ま、まぁ、そりゃそうかも
 しれないけど…でも!美人だ
 し優しいし」

 「まぁ、それはそうかもな〜
 。なんであんなスチャラカ親
 父と結婚したのかがまったく
 謎だぜ。」

 「そ、それはおじさまに失礼
 なんじゃない…?」

 「けど、実際そうだろ?」

 「まぁね…って、そうじゃな
 くてっ」

 「ん?」

 「だからー!乱馬はおばさま
 みたいな人が好きなんでしょ
 ?」

 「へ?別に?」

 「え?ちがうの?じゃあ、ど
 んな人が好きなのよ?」

 「ど、どんな人って…別にい
 いだろっ!俺の好みなんかっ
 」

 「だって、気になるんだもん
 っ教えてよーっ!」

 「なんでそんなに気になるん
 だよ?」

 「べ、別に理由は特にないわ
 よ…」

 「あっ!もしかして…!」

 「ちっ違うわよっ!!絶対違う
 っ!!」

 「まだ何も言ってねーよ」

 「う…じゃぁなによ…?」

 「おめー、そんなに俺のこと
 好きなのかー?」

 「な゙っ!!なわけないでしょ
 ー!!ばっかじゃないのっ!?」

 「へへっそんなに照れんなよ
 っ」

 「なっなに馬鹿なこと言って
 …っ!」

 「じゃあ、なんで俺の好みな
 んか気にするんだよ?」

 「え゙!?そ…それは…その
 …も、もういいわよっバカッ
 !」

 「怒んなよーっ。あ・か・ね
 っ」

 「ふんっ」

 「へへへっ」


 もーっ!!
 ニヤニヤしちゃって〜!!乱馬
 のバカバカっ!!!



 「おーい、あかね〜。そんな
 に怒んなって〜」

 「うるさいっ」

 「あんな〜俺の好みは〜」

 「もういいわよっ」

 「まぁ落ち着けよっ。俺の好
 みはだな〜、見てて飽きない
 女だなっ」

 「?なにそれ?」

 「だから…ちょっと抜けてる
 ヤツというか…」

 「???」

 「とっ、とにかくそーゆーこ
 とだよっ!ほれっ帰るぞっ」

 「う、うん」


 なんなの、一体…?
 乱馬ってそーゆー子が好きな
 んだ…?

 なんか意外だわ…



 …あれ?


 でもあいつ、あたしによく『
 おめーは本当にまぬけだな〜
 』とか言ってくるわよね…?

 それに関しては腹が立つんだ
 けど…

 でも『抜けてる』と『まぬけ
 』って一緒の意味よね…?

 それって…
 あたしも乱馬の好みに当ては
 まってるって思ってもいいの
 かしら…?


 「…ねぇ乱馬」

 「今度はなんだよ?」

 「もしあたしがおとなしくな
 ったら…変かな?」

 「おめーがか?そりゃ気味悪
 いだろー!」

 「気味悪いってなによっ失礼
 ねっ!」

 「だって、あかねがおとなし
 くなったらあかねじゃねーじ
 ゃん」

 「それはそーかもしれないけ
 ど…。でも、女の子はやっぱ
 り女の子らしい方がいいでし
 ょ?」

 「俺はあんまり女っぽいのは
 苦手だけどな〜。」

 「そうなの?」

 「ああ。それに、おめーはそ
 のままの方がいい。」

 「そ…そーかな?」

 「そーだよっ」



 そっか…
 …なんか嬉しいかも…


 「それに、おめーはおしとや
 かになったりすんのは無理だ
 ろー。元々の性格っつーもん
 があるだろうし」

 「どーゆー意味よっ!?」

 「そのまんまの意味だよっ!
 まっ!人間ムリは体に良くね
 ーってことだな」

 「ムリ…?」




 …そういえばあたし、東風先
 生のこと好きだったときはム
 リしてた様な気がする…

 東風先生はかすみお姉ちゃん
 が好きだから、あたしもかす
 みお姉ちゃんみたいになれれ
 ば、もしかしたら…って思っ
 てたから…

 …でも、乱馬が来てからは、
 いつのまにかムリしておしと
 やかに振る舞ったりしなくな
 ってたな…。

 喧嘩したりしながらも、いつ
 のまにか、先生よりもコイツ
 のことが好きになってて…

 …あたし、乱馬の前では、あ
 りのままの自分でいられるん
 だ。

 それに、乱馬もありのままの
 あたしが、一番あたしらしい
 って言ってくれてる。


 そっか…

 あたし、このままでいいんだ
 …

 あたしはあたしのままで、い
 いんだ。


 …なんだか、すごく楽になっ
 た気がする…



 「乱馬っ!」

 「んー?」

 「あたし、おしとやかになろ
 うと思ってたけど、やめた」

 「はぁ〜?」

 「あたし、今のままでいるっ
 !それでいいよねっ?」

 「え?あ、ああ…いんじゃね
 ーの?」

 「ふふっ」

 「…ワケのわからんヤツだな
 〜」

 「いーのっ。乱馬はわかんな
 くて」

 「???」

 「あー、すっきりしたぁ」

 「?なんかよくわかんねーけ
 ど、良かったじゃねーか」

 「うんっ。乱馬のおかげだよ
 っ」

 「へっ?俺?」

 「ふふっ」

 「??」


 …あたしはあたしのままでい
 いんだ。


 「ありがとねっ。乱馬っ」

 「???」



 あなたを好きになって、本当
 によかった…。



 end...



 ■あとがき■

 また終わり方が微妙になって
 しまった…涙
 どーやったら綺麗に終われる
 んでしょうか??

 誰か私に小説の終わり方を教
 えてくださーいっ!!涙

 あっ、ちなみに乱馬君の好み
 は私が勝手に想像しただけで
 すのであしからず…^^;





前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ