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コワイもの
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 コワイもの




 今日もあかねは友達の家に泊
 まりに行くのだと言う。

 今月に入って三度目だ。
 なんでも友人の相談にのって
 いるらしいのだが…。


 …行くなと言いたい。
 そんなもんは放っておいて、
 いいかげん家にいろと言いた
 い。

 …でも俺には言うことができ
 ない。

 それは照れとか意地もあるけ
 れど、それよりももっと深い
 理由。

 俺達は『親の決めた許婚』だ
 から。

 そこに、自分の意志はないか
 ら。


 俺はあかねが好きだけど、あ
 かねにとって俺は『親が決め
 たただの許婚』でしかないか
 ら。

 …もしかしたらあかねも俺と
 同じ気持ちでいてくれている
 のかもしれない。普段のあか
 ねの態度からそう感じること
 も結構ある。

 でも、そうだという決定的な
 ものは何もないんだ。


 もしかしたら俺が素直になれ
 ば先にすすめるのかもしれな
 い。

 けれど、俺達の関係が変わっ
 たとしても俺達を取り巻く環
 境は何も変わってはくれない
 んじゃないだろうか。

 たとえば、俺があかねに好き
 だと言って付き合うことにな
 って。俺達は自分の意志で許
 婚になって。

 でもそれをまわりのヤツらに
 伝えたとしても、あかねのこ
 とを好きなヤツらや俺のこと
 を好きなヤツらの気持ちが変
 わってくれるワケじゃない。

 だとしたら、今の状況と何ら
 変わりはない。

 むしろ俺達の気持ちがはっき
 りした分だけそいつらの怒り
 は膨らむんじゃないだろうか
 。
 そしてその怒りはあかねにも
 向いてしまうんじゃないだろ
 うか。

 俺はそれが恐い。



 …いや。

 本当は、一番恐いのはそんな
 ことじゃない。



 俺はここから一歩踏み出すの
 が恐いんだ。

 正直に自分の気持ちを言った
 ところであかねに拒絶されて
 しまうことが。


 もしかしたらあかねはまだあ
 の辛い初恋を引きずっている
 かもしれない。

 もしかしたらまだ東風先生の
 ことを…。

 …だとしたら俺なんかは、ア
 イツの恋愛対象にすらなれな
 いだろう。

 だってあの人は、大人だから
 。
 大人すぎるから。
 優しすぎるから。

 …あかねのすべてを包み込ん
 でしまう力を確かに持ってい
 るから。

 東風先生はかすみさんを好き
 なことを知っていても、あか
 ねは先生のことをずっと好き
 だったんだから。
 それだけ大きな想いだったん
 だから。

 その恐怖が俺の一歩踏み出そ
 うという気持ちを削いでしま
 う。

 それに、もしあかねが俺のこ
 とを好きでいてくれたとして
 も俺の中であかねの初恋は一
 生消えてはくれないだろう。

 どす黒い塊となって俺の心に
 深く暗い影を落とす。

 これは大きくなることはあっ
 ても消えることは決してない
 。


 わかってるんだ、本当は。
 今のあかねの中に東風先生は
 いないって。きっと今のあか
 ねの中にいるのは俺なんだろ
 うということを。

 それなのにあかねが傍にいて
 笑ってくれないだけで俺の心
 は不安定になる。あかねがい
 ないだけで周りの景色すべて
 が味気ないものに変わってし
 まう。

 …もはや病気だ。

 でも、これが病気だというな
 らこれはあかねでないと治せ
 ないんだ。

 だから、俺にはあかねが必要
 なんだ…。



 end...



 ■あとがき■

 暗いですね…
 内容もなにもあったもんじゃ
 ない…

 でもわたし時々こういうのが
 頭にポンッと浮かぶんですよ
 ね^^;

 うじうじぐだぐだ悩む乱馬君
 好きなんですよv

 あかねちゃんを好きすぎて病
 んでる乱馬君*

 まぁ、病気まではいかなくて
 も、それぐらい好きでいてく
 れたらなっていう願望の塊み
 たいなお話でしたv

 時々こういうのが出ると思い
 ますが不快になった方、申し
 訳ないです><

 あかねちゃん好きすぎてもは
 やわたしが病気ですvv笑





 

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