戦歌

□Serenade 〜 雪を纏う少女 〜
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 騒々しいのは、既になれた。…だが。

「レ〜ン! ほら、こっち行ってみようぜ!」

「クー! シスカたちに怒られちゃうよっ」

「大丈夫だって! キーアに言っといたしっ」

 手を引かれて、街中を駆け巡る。淡い青を灰白で少し隠した空は、いつもながら優しく自らを見守っていてくれているようで心強い。

 そう、まるで、元気付けるかのように。もしくは、慰めるかのように―――…。








 空賊であるにも関わらず、紅山猫(レッドリンクス)の仲間達の許を離れ、七煌宝樹と貴重と謳われる核石人間(エディルレイド)、レンを連れてクーが世界各地を歩き回る旅へと乗り出たことは、同時に多くの人々を巻き込んだ。

 保護協会(アークエイル)の庇護下にレンを置くため、二人と共に各地を回るシスカ、ローウェン、キーアをはじめ、レンを付け狙うオルガナイトの面々、更にその諍いに巻き込まれた姉妹、そしてローウェンが想いながらも儚く失ってしまった少女―――…。

 様々なことが走馬灯のように短い期間に流れ去っていく。だが、それでも彼等は旅を続けていた―――…。
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