小説
□黒川の話
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休み時間。山本と獄寺君が教科係で教室を後にしたので、とても暇だった。女子のみんなは向こうの方でお喋りしていて、楽しそうで、羨ましかった。だが、何気に俺の後ろの席に座っていた黒川花が俺の肩を叩いた。
「え、…黒川…?」
「…沢田ってさぁ……、惜しいね。」
「へ?」
黒川が妙に真剣な顔だったので、何のことかわからない俺はドキドキした。何を指摘されてもダメツナの俺は慣れているが、言うなら早く言ってほしい。
「沢田って、なんで男に生まれてきたの?」
「えぇっ!!?…それってダメツナとか言う以前の問題じゃん!!ってか、なんでだよ!」
「……女だったら絶対モテたのにな…って思って…。」
「ひ、ひどっ!!」
今全然モテてないって勝手に決められてる!!
まぁ、事実だけどさぁ…。
「あ……、ごめん。今でもモテてたわね。」
「えっ!!?そうだったn「男にね。」
「……………。」
黒川は言い終えると、おもむろにメモ帳を取り出し何かを書き始めた。
そして俺に書いた内容を見せつける。メモには人の名前が書かれていた。山本、獄寺、雲雀さん、黒曜生、その他諸々…と、よく意味がわからない。
「あんたって結構男に好かれてるのよね。あぁ、そこが良いところなんだけどさ。」
「く、黒川………話がよくわからないんだけど…。」
「まぁまぁかっこいいって言われてる奴らにモテてる所がまたいいのにね。」
「黒川!何か話ずれてるよ!」
俺が叫ぶと黒川は『あぁそうだった、そうだった。』と返して話を続けた。
「よく考えてもみてよ。あんたがもし女なら、ダメツナじゃないんだよ?」
「?」
「運動が苦手も可愛いし、勉強が苦手も萌えるしさ。」
「……た、確かに…。」
女の子だったらダメツナじゃなかったんじゃないかという疑問で、二人の話は広がっていった。黒川は、俺が女になってもさほど容姿は変わらないという。
なんて話をしていると、教科係の二人が帰ってきた。そして話に混ざる。
「ははは!ツナが女か…。もし女だったらすげーモテるだろうな。」
「ったりまえだ!今でさえ素敵で綺麗で可愛くて麗しい方なのに、モテねぇわきゃねえだろが!//」
何か言ってるしーっ!!
「でも、私的には男のまんまの方が萌えるわね。」
「俺はどっちでもツナは可愛いと思うし、好きだからなっ!」
「やっ、山本!///」
山本が俺の手を握った瞬間、獄寺君が引き離した。
「てめっ!何かっこつけてんだ!」
「ん?別にかっこつけてねぇぜ?ただ正直にツナが好きって伝えただけだけどな。」
山本の言葉にキレた獄寺君はダイナマイトを取り出して、またケンカが勃発した。これの繰り返しでいつも疲れるのは俺だ。とにかく俺は止めに入った。
「やっぱり沢田は男の方がいいのかもね。」
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