NOVEL
□甘酸っぱい洋菓子をキミと
1ページ/1ページ
2/14、バレンタインデー。
所謂、女子が想いを寄せる男子に気持ちを込め、チョコレートを渡す日だ。
中には友人などと交換するという洒落た者も少なからずいるようだが。
―――そして、それはココ死武専でも例外では無い―――。
デスサイズことスピリット・アルバーンは、すごく機嫌が良かった。
そりゃあもう、満面の笑みで今ならば何をされようが笑って許すくらいに。
何故なら、バレンタインとは主に異性に(ココ重要)チョコを渡す日だから。
……つまり、あわよくば愛娘のマカから貰えるかもしれないワケだ。
女生徒が、可愛らしくラッピングされた包みを胸に抱きながら走るのを、ちらほらと見掛ける度に口角が上がる。
(あぁ…マカの手作りチョコが、もうすぐこの手の中に……!!)
…ニヤニヤしながら両手で、肩を抱き締めている図はハッキリいって、キモチワルイが…。
(…それに運がよけりゃ、マイhoneyからも貰えたりしたりするんじゃねぇか…?!)
「よしっ待ってろよhoney☆」
…スピリットは失念しているようだが、バレンタインチョコレートは普通好きな相手、それも異性に渡すものだ。
そう、異 性に。
……恐らく頭の沸いているカレには届かぬだろうが。