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□『今は…』
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「やっぁ…も…う…っ」
限界が近付いて、過ぎた快楽から生理的な涙を流しながら、虚ろな瞳で彼に訴える。
彼は汗の為、前髪やサイドの髪を額や頬にくっつけているくせに、涙や唾液、汗でぐしゃぐしゃの僕とは逆に今だ清潔感さえ感じる顔で、フッと口の端を上げ、訴えを受け入れた。
より激しく、ウィークポイントを何度も擦り、僕を追い立てる。
「…っは…ぁ…ぃや…っだぁ……ぁ…ぅ…ん…」
とめどなく涙を流し、既に、肺に息を送り喘ぐ事しか出来ない。
言葉は殆ど紡げない。
思考は奪われている。
けれど
「よ…んでっ……はっんん…っ」
「……」
「僕の…ぉ……ぁ…なまぁ…はぁ…え…っ」
「………愛してる…」
違う。
違う。
名前を。
僕の名前を言って。
『僕』を見て。