ハリポタ
□それを人は恋と呼ぶ。
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とても、綺麗な人だった。
その、泣き顔さえも。
僕が黙っていると、その人は困った様に話かけてきた。
「………あ、あの…」
その声に我に帰ったのは、僕。
僕は困った顔のその人を睨みつけ、ぐいっと肩を掴んだ。
「な…「こんな雨の中何してるんですかあなたは!見つけたこっちの身にもなって下さい。凍死されてはこちらの方がバツが悪い!!」
その人が何か言おうとするのを遮り、僕は屋根へとその人を連れていく。
その時目に入ったのはグリフィンドールのネクタイ。一瞬大嫌いな兄が浮かんだが、今は寮だどうのではない。
僕は、ローブとその人の体を杖で乾かし、そのローブを鳶色の頭の上から被せた。
その間、その人はきょとんとしていたけれど。
「…ローブは差し上げます。」
「……ぇ、でも…体乾いたし……」
「体は乾いても、冷えまでは取っていません。温まるまで脱がないでください」
「でも…きみは…?」
「まだ予備があるので……、」
「でも…」
その人はローブを返そうと僕を見る。
そうか、この人も"そう"か。
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