ハリポタ

□それを人は恋と呼ぶ。
2ページ/5ページ


「…………?」

もう直ぐ塔の屋根、という所で何やら人がうずくまっていた。

その人はずぶ濡れで、顔が見えない。

(…何を、しているのか…)

通り過ぎようかと、思った。

あまり人とは関わりたくない。

けれど、こんな雨の中、けして暖かいとはいえない気候で。

(…こんな所で凍死されてはバツが悪い……)




「何しているんですか、あなた」




思わず、声が出ていた。
僕らしくない、と少し思ったけれど。

うずくまっていた人は体をびくりと震わせ、水滴のついた鳶色の髪を揺らした。




「………ぁ、」




その瞳から目を離せなくて、僕は言葉を失った。

.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ