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□きみのとなり
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きみのとなり

よく晴れた休日。
二人で電車に乗って。
少し遠出して、海まで。

「岳、落ちなや」
防波堤に上って、侑士を眺める。
「落ちないよ」
言ったらヤツは楽しそうに笑った。
「視点がいつもと逆やなぁ」
「へっへっへ。見下ろしてやるぜぃ」

波の音がする。
海の匂いがする。
地平線が見えて、
太陽がまぶしい。

けれども
やっぱり。
「何や、もう下りるんか」
「うん」
防波堤から飛び降りた。
海は見えなくなったけど。
「侑士、手つなぐ」

海が見えるより
空が近いより
侑士の隣にいるのがいいから。


「あ、カニだ」
「…それは食われへんで…」

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