Book

□きみはゆらゆらゆめのなか
1ページ/1ページ

電車がゆれる。
ガタゴト音を立てて。
けれども君にとっては
ゆらゆらゆれる
優しいゆりかご。

カクリ。

停車と共に肩から離れていく体温。
「う〜…ごめん…ゆうし…」
「ええよ。眠いんか」
「ん…ちょっと…眠い…」
言う内に目蓋が降りてきて。
(ちょっととちゃうやん…)
顔がニヤけそうになるのを堪える。
だって壮絶に可愛いんやもん。
「もたれて寝てええよ。ちゃんと起こしたるから」
「…ン……ありがと……だいしゅき…」
「……」

お姫様は睡魔に撃沈。
最後の一言で固まった俺は、
向かいにおったお姉さんらに、クスクス笑われた。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ