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□最終列車
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息を切らして、駅の改札を通り抜けた。
最終電車を告げるアナウンスに、ほっと胸を撫で下ろして。
ふと見た反対側のホームに、見知った人影。
「侑…」
思わず呟いたのは、目が合ったから。昨日会ったばっかりなのに、こうも嬉しいものなのか。
両ホームに電車が入ってくる。…侑士の姿が見えなくなった。






「何で乗らないの」
「お前かて。俺はあと一本あるけどお前今の最終やろ」
姿を見ながら、携帯で話す。
「…侑士が居るから悪い」
「何やそれ。はよこっちおいで」
手招きされて、笑みがこぼれた。
「お持ち帰り?」
「お持ち帰りや」

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