アッシュ×猫化ルーク
苦手な方はご注意ください。
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「おい!見ろよ!変な毛色の猫がいるぜ!」
(…ふぇ?)
なぜ、こんな状況になっているのだろうかか。
俺はただ気持ちよく眠っていただけなのに!
朝食を終え、深い眠りから目を覚ますと、そこには見知らぬ人間がいた。
顔つきからしてまだ13歳といったところだろうか、幼さを残した少年は俺の首根っこを掴み、ぶらんぶらんと揺すっている。
正直とても不愉快だ…。
「見ろよ!朱色の猫だぜ!」
その声を聞きつけ、その少年の仲間達が近くに寄ってくる。
「フシャーーー!!!!」
「うわっこの猫結構凶暴だな。」
毛を逆立て、精一杯警戒してみるが、少年達は知らん顔で俺の髭を引っ張ったり、尻尾をにぎったりしてくる。
(う゛ー…悪いけど噛みついて逃げちゃおうかな…。)
酷いことはされてないとは言え、体を弄り回されるのは至極不愉快で。
噛みつこうと俺は牙を光らせた。
そのときだった。
「おい、お前ら何してやがる。」
低く、背筋を這い尽くすような声が聞こえた。
耳をピクピクと動かしながら、俺は声の主に目を向けた。
目を奪われるような紅い長髪。
鋭い目の中に佇む碧の瞳。
「アッシュ兄ちゃん…ッ!な、なんでもないよ!ほら、皆行こうぜ!」
「お、おう!」
少年達はそそくさと去って行った。
「ッたく…あいつら…。」
"アッシュ兄ちゃん"と呼ばれた男が俺を見る。
カチリと視線がかち合うと、俺の心臓は飛び跳ねた。
男の俺が言うのも何だが、この人はめちゃくちゃかっこいい顔をしてると思う。
「お前…今朝の猫か。」
アッシュは俺の喉を優しく掻いてくれた。
それが気持ちよくって擽ったくて、俺はゴロゴロと喉を鳴らす。
「碧の瞳か…俺と同じだな。」
フッと微笑んだ顔。
(うわッ…笑った////)
何故か心臓が暴れるように高鳴り、顔に血液が集まっていくのを感じた。
猫だから良かったけど、人間の姿だったら間違いなく顔が真っ赤になっていただろう。