俺達の絆

□2日目
2ページ/5ページ

足音のほうを振り向くと、いつもの見慣れた顔がいた。


「どうかしたのか?」


ジャケットにジーパンというラフな格好で現れた[矢野健太]。


「なんもないよ。
ただ考え事してただけ。
で、なんで俺に話し掛けたの?」

「なんかさ、悲しそうにしてたから…かな?」


そう言って彼は俺の隣に座る。


「なんでだろ?俺お前にどこかであった気がする…」

「そうなの?
俺は矢野君のことずっと前から知ってるよ」

「そりゃ…テレビに出てるからな」

「それもあるけど……」


ずっと一緒にいたから。
君は[嵐]のリーダーだから…。

…でも、言っちゃいけないんだ。
昨日妖精さんが言ってたから…。

『相葉ちゃん、自分から今までのこと言っちゃダメだよ。
矢野君が[大野智]だってこととか、[嵐]のメンバーなんだとか…。
言ったら、そこで終わり。もう二度と[嵐]には戻れないから気をつけてね』


目の前にリーダーがいるのに、[嵐]の思い出を語れない。

リーダーなのに、全く別人のように思える。



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ