平和の星

□戦艦で巡り遭わせ
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弟八話『メタナイト戦・正』




『ようやくお出ましか…』

クリッツは薄笑いを浮かべてそう言った

「これ以上私の部下に手を出されたら困るんでな…!」

メタナイトは怒り口調でそう言った
彼はクリッツの右足の剣から、アックスを守るために彼の愛用の剣で受け止めていたのだ

「メタナイト様…!」

「…早くメイスとリンを連れて離れろ…」

「ハ、ハイ!」


アックスは急いで二人を担いでトライデントが倒れている所まで走った

二本の剣がギリギリと音を鳴らしている

「貴様…一体何の目的でこんなことを…」

メタナイトがそう聞くと、クリッツは当たり前じゃねぇかと言う

『おもしれぇからだよ!』

そう言うと、クリッツはメタナイトの剣を弾き、切り掛かろうとする
メタナイトはそれを素早く避けて、床に落ちた剣を掴み、クリッツの剣に応戦する

「ハァッ!」

メタナイトは斬撃をクリッツに飛ばす
クリッツはそれを剣で切り裂く
そしてその剣で、突きを繰り返す
メタナイトはそれらを全部剣で防いでいった


なかなかの強さだ…!…ならば…


「『ディメイションマント』」

メタナイトはマントを身に包んだかと思うと、姿を消してしまった

『あ?どこ行った?』

クリッツは辺りを見渡すが、メタナイトの姿は見えない
その時、


「ここだ」

その瞬間、クリッツの後ろにメタナイトが突然現れた
彼は素早くクリッツを斬ろうとする

だが…



キィィィィィィィンッッ!


「な…何!?」

剣はクリッツの体に届いていなかった
何か、固い物が彼を包んでいるかのように、びくともしていなかった

メタナイトはジャンプして、クリッツから離れる

『クク…驚いたか?』

クリッツは笑みを浮かべながら、メタナイトの方へと向く

「…障壁か…」

『御名答、夜の障壁だ。物理攻撃なら簡単に防げる。ま、俺様の意思がなかったら、消えちまうがな…』

「なるほどな…」

『んじゃ、こっちから行くぜ』

クリッツはメタナイトの目の前に飛んで、斬り掛かる
メタナイトはそれを防いだ
その時、クリッツは剣ではないもう一つの足で、隙ができた彼を蹴飛ばした

「ぐぁっ…!」

『死ね…!』

クリッツは猛スピードでメタナイトに近付き、彼を斬ろうとするが、




「かかったな…!」

メタナイトは素早く起き上がる

「『ギャラクシアダークネス』!」

メタナイトはマントを翻した
それがクリッツに当たった瞬間、闇が彼を包み、途端に鋭い斬撃が彼を襲う


パキィィイイィィンッ!

ガラスが割れたような音が響いた

クリッツは壁に叩きつけられる

『ぐっ…は…!…障壁が…破られただと…!?』

クリッツの右肩には大きな切り傷ができていた
赤い血が静かに垂れている

「フン…私がただの物理攻撃しかできないとでも、思っていたのか?」

そう言って、メタナイトは剣を鞘に収めた

「さぁ、その様子じゃあ戦えないだろう?教えて貰おうか。貴様は一体なにも…の………だ…………?」

メタナイトは段々と喋れなくなり、急に前に倒れてしまった

「メタナイト様!!?」

アックスは急な出来事に驚き、メタナイトの所まで駆け寄った


な…!体が…動けない…!?


メタナイトは必死に動こうとするが、全く効果が見られない

『へっ…ようやく効いたみたいだな…』

クリッツはそう言いながら、フラフラと立ち上がる

「テメェッ、メタナイト様に何しやがった!」

『俺様じゃねぇよ、やったのはコイツだ』

すると、急にクリッツの尻の辺りから尾が出て来た

だが、それはただの尾ではない

色は緑で、クネクネと動いており、しかもその先端にはキバのある口が目立つ顔があった


そう、「蛇」だった

「な…!まさか…」

『案外簡単だったぜ?ソイツの足に噛ませんの…』

アックスはすぐにメタナイトの足を見た
そこには小さな噛み跡がある

『あぁ、ちなみに、コイツの毒は一回やられたら、数時間とも経たねぇ内に死んじまうぜ』

「何…!?」

『そんで、テメーら共々消えてしまうって寸法だ…「代」』

途端にクリッツの頭の耳は消え、代わりに帽子がポンッと出てくる

「テメェ、蛇の尾を持つなんて…何者なんだ…?」

「……それを言う必要はないよ…消えて貰うから…」

「くっ…」

アックスはメタナイトを担いで逃げようとする

「無駄だよ…」

ピリッツは素早い動きで、アックスの前に回り込んだ

「じゃあね…『ライフ・ロ…」


その時だった


三人の真上の天井が、急に崩れたのは



 
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